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2010年3月26日金曜日

重くのしかかる倫理の問題

前々回の記事「マスコミ企業がソーシャルメディアを使う目的 (前篇)」で、マスコミ企業が抱える問題は「ビジネスの問題」「経営の問題」そして「倫理の問題」の3つに分類できる、と書きました。ここでは「ビジネスの問題」に焦点を当てていますが、実は最もやっかいな問題が「経営の問題」だと考えています。「経営の問題」の解決は困難極まりなく、また、あまりにも影響が大きいため、「ビジネスの問題」を解決したところでどれほどの効果があるかわかりません(「ビジネスの問題」を解決するためのボトルネックになる可能性もあります)。

今週奇しくも @kazu_fujisawa さんがご自身のブログで次のようなことを書かれていました。
日本にはマスメディアの危機なんてない。あるのは社員の高すぎる給料だけだ。 / 金融日記

日本のマスメディアに危機なんて存在しないのだ。
そこにあるのはただ単に高すぎる社員の給料だけなのである。
「高すぎる社員の給料を低くする」ことは「経営の問題」を解決するための施策で、正に正論だと思います。しかし、GMやJALの例からも分かる通り、これは非常に難しい。

一方でこの事は、指摘されずとも中の人は誰でも薄々は感じていることで、この業界に居続ければ最終的に給料が半額になる、ぐらいのことは皆覚悟しているのではないでしょうか(少なくとも私は覚悟してます)。しかし、何もやらずに「はいそうですね」と受け入れるのは実につまらない。どうせ駄目なら、その前にやれるだけのことをやった方が余程面白い。という事で、私は悪あがき。

さて、ここで本当は多くの方々に「マスコミ企業の再生」について建設的な意見や議論をお願いしたいところなのですが、それが出来ないのが歯がゆいことろです。原因は「倫理の問題」にあります。マスコミ企業がこれだけ攻撃の標的になる背景には、「倫理の問題」の影響が過分にあることは想像に難くありません。まずはここに手を入れなければ、建設的な意見を募る資格も無いのでしょう。