2010年4月18日日曜日

#book 過酷な途上国開発の経験に裏打ちされた普遍的なもの

ジャクリーン・ノヴヴォグラッツ氏の「ブルー・セーター」はどなたにも間違いなくお勧めの一冊です。
現在は、途上国で貧困問題に取り組む現地の人向けに投資を行っている非営利投資会社「アキュメン・ファンド」のCEOを務められている著者の自著伝。著者の過酷な途上国開発の経験によって裏打ちされた数々の言葉には、普遍的なものがあると感じました。著者の謙虚に学ぶ姿勢があってこそ、なのかもしれません。今後も著者の活躍に注目したい。

以下、本書から特に印象に残った箇所の抜粋です。なお、本書の魅力は、著者の数々の経験と深い知見とが結びついているところです。どのような経験を経て、こうした知見に辿り着いたのか…ここに興味を持たれた方は、是非本書を手にとっていただければと思います。
P24
三五歳で老けこむのはごめんだ。情熱を持って日々新しい人生を生きるには、冒険をして、人のために働かなくては。
P52
アフリカで貢献するには、自分自身をもっとよく知り、目標をはっきり持つ必要がある。私のやり方ではなくアフリカのやり方で、アフリカと向き合うこと。自分の限界を知り、お情け深い慈善屋ではなく、ここにいることで何かを提供し、何かを得る人間だと示すこと。同情は役には立たない。
P60
寄付金を拠出する人たちは、いい話をいくつか聞いただけで、機能していない団体への寄付を決めてしまいかねない。世界が必要としているのは、もっとましなことだ。
P82
将来のメッセージとプログラムをどうデザインすべきか、また物事がどうおこなわれるべきかを考えるとき、どうやって私たち自身の見方から離れ、どうやって人の生活の仕方、互いのコミュニケーションの取り方を注意深く見るか、が大切なのだ。
P199
開発途上地域には経営スキルが必要だ。善意の人間というだけでなく、どうやって社会を始め、作るかを知っている人間が必要だ。力と金を持っている人間がルールを作るのはわかってきた。だが力だけでは、腐敗し、蝕まれる。「愛をともなわない力は」とマーティン・ルーサー・キング牧師は最後の演説の一つで言った。「無謀で不正なものです」それからこうつづけた。「力をともなわない愛は、感傷的で無力です」
P202
変化を起こすには、社会運動がいかに内部と外部と両方の人間を必要とするか、また、違い――民族、宗教、階級、思想の想い――を乗り越えて互いに話し合うことを学ぶのがどれほど大切か。
P203
自分自身のことを知って初めて、ほかの人のことをほんとうに理解できる――自分が来た場所のことを知るのは、自分自身を知ることの大切な一部だ
P208
耳を傾けなければ、問題を理解することができず、決して問題に取り組むことはできない。
P213
「もし知性だけを持って世界のなかを動くなら、片足で歩くことになる」
「もし共感だけを持って世界のなかを動くなら、片足で歩くことになる」
「だが、もし知性と共感とをともに持って世界のなかを動くなら、知恵を得る」
P373
貧困問題への解決を開発するプロセスを複雑にしているのは、マスコミや、自分のやり方だけが唯一のやり方だと想っている理論的リーダーから聞こえてくる雑音だ。彼らは、人々の声を聞くことを知らない――その能力がかつてないほど重要になっているにもかかわらず。
ツイッターを本格的に始めてから、良書に出会う確率が高くなってきていると感じています。本書もツイッター上で推薦されていたものです。