Pages

2012年12月5日水曜日

熱意とビジョン、そして適切なスキルさえあれば、データジャーナリズムは実践できる

プロジェクトメンバー2人、制作期間24時間、掛かった経費500ドル未満、しかしその効果は絶大―。ケニアのオープンデータを活用した実に小さな規模のデータジャーナリズム・プロジェクト「GoToVote!」が非常に大きな成果を挙げた、として、国際的なジャーナリストサポート団体 International Journalists Network (IJNet)のサイトで紹介されています。


「GoToVote!(選挙へいこう!)」はケニアで来年実施される大統領選に向けてケニア国内の有権者登録できる場所を検索するためのサービスで、アフリカにおけるジャーナリズムの発展を推進する団体African Media Initiativeと世界銀行が共催する「Code4Kenyaプロジェクト」が構築しました。サービス公開後数時間で約2500人が利用し、そのまま有権者登録をしに行った(=成果を出した)、とのことです。


「2人、24時間、500ドル未満」で作られたGoToVote!は、そのコストに見合い、機能も仕組も非常にシンプルなサービスです(構成は「Twitter Bootstrap」+「オリジナルのJavaScriptプログラム」+「JSON化した有権者登録場所のデータ」。ソースコードはGithubで公開されています)。何の新規性もなく、技術的にも何も学ぶものはありません。また、「オープンデータを活用」といっても、PDFファイルとして公開されていたドキュメントから投票所のデータを取り出した程度のことです。


にもかかわらず注目されているのは、「データジャーナリズムはカネと時間がかかる」「データジャーナリズムには超絶スキルが必要だ」といった風潮(アメリカ大統領選で大手メディアが展開したデータジャーナリズムプロジェクトはどれもリッチなものでした)に一石を投じ、「熱意とビジョン、そして適切なスキルさえあれば、良質なデータジャーナリズムは実践できる」ことを証明したからにほかなりません。

ケニアでは有権者登録されていないと選挙で投票できないため「事前の有権者登録」はとても重要、にもかかわらず政府からの公布が分かり難くくこのままでは投票率があがらないのではないか、との問題意識が発端となり、GoToVote!は構築されました。つまり、まず目的(投票率を上げる)があって、その手段として「データジャーナリズム」がつかわれたにすぎません。そしてここが重要なポイントです。

手段が目的化してしまうと、「誰のためのデータジャーナリズムか」が曖昧になり、単なるサービス開発競争に陥ることになりかねない、ということは、これからも忘れないようにしておきたいところです。

ちなみに「Code4Kenyaプロジェクト」には「データを活用してジャーナリストに変革をもたらす」という設立理念があるようで、こうした下地があったからこそGoToVote!のようなサービスが生まれたのかもしれません。

最後に、冒頭でご紹介した記事に記載されている、GoToVote!から得られたオープンデータを活用したデータジャーナリズムプロジェクトに関する教訓をまとめておきます。

  • オープンデータを活用したプロジェクトは、高価である必要は必ずしもない
  • オープンデータを活用したプロジェクトは、大きな規模である必要は必ずしもない
  • オープンデータを活用したプロジェクトは、時間を掛ける必要は必ずしもない
  • オープンデータの活用はさほど複雑なことではなく、アイディア次第でシンプルかつ強力なサービスを提供できる
  • オープンデータは必ずしも「利用し易い形態で」提供されているわけではない
  • オープンデータは市民の役に立ってこそ、最大の価値がある

2012年9月4日火曜日

データジャーナリズム・ワークショップ

去る7月28日にJCEJGLOCOMの共催でデータジャーナリズム・ワークショップ「データジャーナリズム実践 データから社会問題を発見する」を実施しました。開催から少し間があいてしまいましたが、ワークショップのポイントを簡単にまとめておきます。ワークショップ当日の様子については、JCEJのブログにアップされている運営報告をご参照ください。


JCEJが主催するデータジャーナリズムのワークショップは今回で3回目となりますが、いずれの回も満員御礼となったことから、この分野に対する関心の高さが感じられます。国内ではあまり認知されておらず、学ぶ機会が少ない一方で、世界のジャーナリズムの現場ではスタンダードとなりつつある、という差し迫った事情もあるのかもしれません。

さて、座学中心の第1回データジャーナリズムを実践する際に利用するツールを学んだ第2回に続き、第3回の今回はより実践に即したスタイルを目指しました。データジャーナリズムに関する日本語の参考資料が少ないことから、午前の部と午後の部の2部構成とし、午前の部でまずデータジャーナリズムに関する講義を行い、続けて午後の部で実践的なデータジャーナリズムに取り組む、という流れとしました。

午前の部では、データジャーナリズムに欠かすことができないオープンデータの国内最新事情についての講義をGLOCOMの庄司昌彦さんが、そしてデータジャーナリズムの最新動向についての講義を私が、それぞれ担当しました。講義の詳細については、ご参加いただいた山口亮さんによるTogetterが大いに参考となります。


なお、データジャーナリズムの最新動向については、私が使用した資料をSlideShareに、資料を作成する際に参考としたサイトをNAVERまとめに、それぞれアップしておきましたので、併せてご活用ください。




資料中でも触れていますが、データジャーナリズムは「チームで取り組む」こと、「読者目線」、そして「とにかくやってみる」ことが重要です。

データジャーナリズムは「データを活用して発見した事実を分かり易い形式で読者に届ける手段」であるため、データの収集、分析、可視化などのシーンでは、アナリストやエンジニアのスキルが要求されます。そのため、データジャーナリズムの現場ではジャーナリスト、アナリスト、エンジニアがチームを組むのが一般的となっています。また、データジャーナリズムでは、単にデータを可視化しただけの独りよがりはNGで、「読者にとって分かり易いか」「読者が洞察を得る手助けができたか」など読者目線が大きなポイントとなります。

ということで午後の部では、「ジャーナリスト」「アナリスト」「エンジニア」で構成される5名程度の「チーム」を即席で結成してもらい、各チームで「読者目線」のデータジャーナリズム・プロジェクトを、約3時間で企画してもらう、というワークに取り組んでいただきました。各チームでの取り組みについては、GLOCOMのオープンガバメント研究会のブログ、およびJCEJブログに掲載されている記事をご参照ください。全6チーム、6プロジェクトが企画されましたが、いずれも興味深いものばかりでした。


補足ですが、現在、データジャーナリズムの現場では、「テクノロジーの取り込み」と「読者の巻き込み」が進んでいますので、これからデータジャーナリズムに取り組む場合は、これらを考慮すると良いかもしれません。

<テクノロジーの取り込み>
ガーディアンやBBC、NYタイムズ、ProPublicaなど、データジャーナリズムに率先して取り組んでいるメディアは、優秀なエンジニアの採用を加速しています。Googleはデータジャーナリズムに必要なツールを開発したり、データジャーナリズム関連のプロジェクトに出資するなど、データジャーナリズムを強力にバックアップするようになりました。また、米国のジャーナリズムスクールではテクノロジーを学ぶ、あるいはテクノロジーを活用してイノベーションを起こすためのプログラムが導入されはじめました。

<読者の巻き込み>
ユーザの理解を促進する「インタラクションの実装」、「(読者からの)リアクション(コメントなど)の取り込み」、「N次創作(利用したデータを公開し、ユーザに別の視点から調査してもらう)の促進」など、読者を巻き込むことに主眼が置かれるようになってきています。

第4回のワークショップを9月1日に実施したのですが、これについては後日改めてまとめてみたいと思います。

2012年6月28日木曜日

データジャーナリズムアワードでみる世界のデータジャーナリズム最新動向

先月末(5月31日)、秀逸なデータジャーナリズム・プロジェクト(データを駆使した調査報道)に贈られる「データジャーナリズムアワード」の受賞プロジェクトが決定しました。データジャーナリズム版ピューリッツアー賞(言い過ぎ?)的な位置付けであるにも関わらず、国内ではあまりフォローされていないようですので、以下、少しまとめておきます。

今回が初開催となるデータジャーナリズムアワードは、この分野に力を注ぐGoogleが公式スポンサーとなり、CNNやBBC、ル・モンドなど世界各地の報道機関に所属する上級編集者らで構成される世界的な編集者ネットワーク「Global Editors Network(GEN)」が主催し、世界各地で実施されているデータジャーナリズム・プロジェクトが一堂に会す、ということで、データジャーナリズムの最新動向を押さえるうえで個人的に注目していました。余談ですが、編集者ネットワークGENにはブログ 世界を変える個人メディア』や『あなたがメディア! ソーシャル新時代の情報術』の著者、ダン・ギルモア氏も参加されています。


データジャーナリズムアワードの目的はサイトに英文で記載されていますが、抄訳すると以下のようになります。

  • 最も優れた取り組みにスポットを当て、データジャーナリズムのレベル向上に貢献する
  • ジャーナリストを刺激する
  • 編集者やメディアの経営者にデータジャーナリズムの価値を知ってもらう
  • ジャーナリスト、開発者、デザイナーなど、データジャーナリズムに関わる人たちの連携を促進する

審査委員にはNewYorkTimesやトムソン・ロイターの編集者、Googleのエンジニアなど、10名のデータジャーナリズムのスペシャリストが名を連ね、そしてそのトップに立つのがProPublicaのPaul Steiger氏です。

データジャーナリズムアワードには3つのカテゴリー「データ駆動調査報道」「データ可視化/ストーリーテリング」「データ駆動アプリケーション」と、2つのレンジ(対象範囲)「国家・国際部門」「地域部門」を掛け合わせた全6部門が設定され、各部門ごとに受賞プロジェクトが決められます。

  • DATA-DRIVEN INVESTIGATIONS National/international
    データ駆動調査報道の国家・国際部門。 社会問題をあぶり出す、あるいは社会が特定の問題に対する結論を出すために、データを分析・調査して新たな事実を見つけ出した、優れたデータ駆動型の調査報道に贈られる。
  • DATA-DRIVEN INVESTIGATIONS Local/regional
    データ駆動調査報道の地域部門。
  • DATA VISUALISATION AND STORYTELLING National/international
    データ可視化/ストーリーテリングの国家・国際部門。社会が特定の問題に対する結論を出すために、
    データをグラフや地図などの形態で可視化し、それを活用することで読者の理解を深めた、優れたプロジェクトに贈られる。
  • DATA VISUALISATION AND STORYTELLING Local/regional
    データ可視化/ストーリーテリングの地域部門。
  • DATA-DRIVEN APPLICATIONS National/international
    データ駆動アプリケーションの国家・国際部門。公共的に重要なデータを、読者にとって分かり易くかつシンプル、そして再利用を考慮した形式で提供している、優れたプロジェクトに贈られる。 
  • DATA-DRIVEN APPLICATIONS Local/regional
    データ駆動アプリケーションの地域部門。

本筋である「データ駆動調査報道」の他に、データジャーナリズム最大の強みである「データの可視化/ストーリーテリング」や「データ駆動アプリケーション」が設定されているのが特徴的で、データジャーナリズムでは調査力や文章力とは別に、テクノロジーに対するある程度深い理解が求められることがわかります。

また、選考基準を読んでいると、単にデータを可視化しただけの独りよがりのプロジェクトはNGで、「読者にとって分かり易いか」「読者が洞察を得る手助けができたか」など、読者目線も大きなポイントとなっています。



さて、データジャーナリズムアワードは今回が初開催だったにも関わらず、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、ロシア、メキシコ、フィリピン、ケニヤ、ウガンダなど世界各国の報道機関や、フリーランスのジャーナリストから300を超えるデータジャーナリズム・プロジェクトがエントリーされました(残念ながら日本からのエントリーは無かったようです)。このうち58のプロジェクトが最終選考に残り、今年4月の国際ジャーナリズムフェスティバル期間中に開催された最終プレゼンを経て、各部門の最優秀プロジェクト(6プロジェクト)と3つの佳作プロジェクトを含む計9プロジェクトが、栄えある第一回データジャーナリズムアワードを受賞しました。

受賞プロジェクトの成果物は可視化されているものが多いため、言語の壁があるとは言え、どれも見応えがあります。これらの中で気になったのは米シアトルタイムス(The Seattle Times)が、データを収集・分析・可視化することで特定の医薬品(メタドン:Methadone)による被害を明らかにした「Methadone and the Politics of Pain」。2012年のピューリッツアー賞も受賞したこの調査報道は、最終的には政治を動かしたこともあり、データジャーナリズムの可能性を大いに感じさせてくれました。

また、スイスのPolinetz AGによる、法案の可決・否決状況など政治の動きを可視化する取り組み「Transparent Politics」にも注目したいところ。ジャーナリズムの重要な役割ともなっている「政治監視」の強化にもつながるのではないでしょうか。Googleもアメリカ大統領選の動向を可視化するサービス「Google Politics & Elections」をリリースするなど、この分野でのデータジャーナリズムはまだまだ広がることが予想されます。日本での取り組みも期待したいですね。

なお、ここでは触れなかった7つのプロジェクトを含め、全ての受賞プロジェクトをNAVERまとめにまとめておきましたが、早稲田大学ジャーナリズムコース准教授・田中幹人さんによる一連の関連ツイートが参考になります。


データジャーナリズムアワードの最終プレゼンも行われた国際ジャーナリズムフェスティバルに参加された朝日新聞・平和博さんによる、データジャーナリズムに関する一連の記事も理解を助けてくれると思います。


「データ可視化/ストーリテリング 国家・国際部門」で受賞したガーディアンが、自社のサイトに総評(英語)を掲載しています。


ちなみにガーディアンによるデータジャーナリズムに対する取り組みは非常に進んでおり、一見の価値があります。機会があればまとめてみますね。

2012年5月13日日曜日

LIVEonWIRE_JOURNALをリニューアルしました

今年2月29日の深夜にリリースしたLIVEonWIRE_JOURNALのサイト、それ以降あまり手を加えることができなかったのですが、連休中に少し時間がで作れたこともあり、少しリニューアルしました。


リニューアルのポイントは以下3点。

  1. ジャーナリストページのリニューアル
  2. 記事間リンクを設置
  3. ジャーナリストの顔写真の出現頻度の向上

LIVEonWIRE_JOURNALは「ジャーナリストとともに学び、社会に関わるためのニュースメディア」として、読者のみなさまには、記事をお読みいただくだけでなく、その記事を寄稿したジャーナリストのこと、そしてそのジャーナリストの取材テーマのことをもっとよく知ってもらえるようなサイトを目指しており、今回のリニューアルはその第一歩となります。

ジャーナリストページは「1.ジャーナリストページのリニューアル」により、情報はまだまだ足りていませんが、これまでよりは見易く、また、ジャーナリスト個人を応援しやすくなったと(おそらく)思います。

今後、各ジャーナリストが追いかけている取材テーマや、ジャーナリストが主催しているイベント、ジャーナリストが参加しているプロジェクトに関する情報などを追加し、読者が各ジャーナリストのことをもっと良く知ることができるようなページにしていきたいと考えています。

なお、現時点でLIVEonWIRE_JOURNALにご参加いただいているジャーナリストは4名います。LIVEonWIRE_JOURNALにもし気に入った記事がありましたら、その記事を寄稿したジャーナリストをぜひ応援してください!


もしお時間があれば、新設した運営スタッフのページもぜひご一読を:-) デザインも少しリフレッシュしています。

2012年5月1日火曜日

日本人の死因を可視化する【追記あり】

2010年、119万7012人の日本人が亡くなりましたが、その死因について調査した結果が、3月1日、「都道府県別にみた死亡の状況 -平成22年都道府県別年齢調整死亡率-」として厚生労働省(厚労省)より発表されました。前回前々回の記事でこの統計データをGoogle Public Data Explorerに導入しましたが、ここではそれを元に実際に日本人の死因を可視化してみたいと思います。

まず「死因別の死者数」を棒グラフで見てみましょう。

日本人の死因の上位3つは悪性新生物(がん)、心疾患、脳血管疾患の いわゆる三大成人病であることがわかります。 これらの合計は死因全体のおよそ55パーセントを占めています。


三大成人病については「男女別、三大成人病の粗死亡率(そしぼうりつ)の推移」を、折れ線グラフで見ることができます(粗死亡率:人口10万人あたりの死亡者数を表す数値)。これを見ると男女ともに、悪性新生物は右肩上がりに増え続けている一方、脳血管疾患による死者数は1965年をピークに、わずかながら減少傾向となっています。なお、脳血管疾患による死者数が1995年に一時急上昇しているのは、「脳血管疾患」の適用規則が変更になったためのようです。



ここで一旦冒頭の棒グラフにもどり、三大成人病以外の死因についても見てみましょう。三大成人病以外の死因には「肺炎」「老衰」「不慮の事故」「自殺」「腎不全」「肝疾患」「慢性閉塞性肺疾患」「大動脈瘤及び解離」そして「糖尿病」の9つがありますが、棒グラフから各死因のボリュームを把握することができます。


三大成人病以外の9つの死因のうち、ここでは病気以外の「自殺」「不慮の事故」「老衰」について少し詳細に見てみましょう。厚労省の統計データには「男女別、死因別、都道府県別の粗死亡率」も含まれていますので、これをバブルチャートで可視化してみます。

ちなみに、前々回の記事でご紹介した朝日新聞デジタルとMSN産経ニュースの記事で利用されていたのは「男女別、都道府県別の年齢調整死亡率で、これをバブルチャートで可視化すると以下のようになります(年齢調整死亡率:粗死亡率を年齢調整した数値)。縦軸は男性の年齢調整死亡率、横軸は女性の年齢調整死亡率となっています。



男女ともに青森県が突出して高く、東北地方だけで見ても、青森県、岩手県、秋田県の北部3県は比較的高いことがわかります。一方、長野県は男女とも突出して低いですね。ここから、青森県では天寿を全うする人の割合が低く、長野県では天寿を全うする割合が高い、とも言えます。

さて、話を元にもどしましょう。まずは2010年、自殺の粗死亡率を都道府県で比較してみます(病気以外の死因については年齢調整しないほうが実態を把握しやすいと判断しました)。縦軸は男性の自殺の粗死亡率、横軸は女性の自殺の粗死亡率、泡の色は男性の年齢調整死亡率(全死因)、泡の大きさは女性の年齢調整死亡率(全死因)を、それぞれ表します。


秋田県、岩手県で男女ともに高い一方、三重県の男女、福井県の女性、徳島県の男性は低いことがわかります。こうした事実は「どうすれば自殺を減らすことができるのか」を考えるうえで利用できないものでしょうか。

続いて不慮の事故について見てみましょう。縦軸を男性の不慮の事故の粗死亡率に、横軸を女性の不慮の事故の粗死亡率に、それぞれ変えただけとしています。



ここで少し気になったのが、都市部における不慮の事故の粗死亡率が低いことです。沖縄県は人口が少なく、交通量・交通機関も少ないことから低いのは頷けるのですが、なぜ都市部は平均的に低いのでしょうか。「都市部では緊急医療体制が比較的整備されている」という仮説も成り立つかもしれません。

さて、最後に最も平穏な死に方である老衰を見てみましょう。これは高ければ高いほど、長寿を全うした人の数が多い、ということになります。



男女ともに島根県が抜けています。島根県で老衰が多い理由を調べることで、長寿の秘訣が見えてくる…かもしれません。

以上、簡単ではありますが日本人の死因を可視化してみました(このポストに不備があればご指摘ください)。ここで利用したデータ、及びGoogle Public Data Explorerにアップしたデータセットを公開しておきますので、より深い、独自の分析をぜひ試されてみてください。


[追記] 2012/05/02

なぜ沖縄県では老衰が少ないのだろう、という感想をいくつかいただきましたので、追加調査を実施してみました。私が考えた仮説は、沖縄県の死者数がそもそも少ないのではないか、というもの。そこで都道府県別の全死因の粗死亡率(棒の高さ)と年齢調整死亡率(棒の色、色が青に近いほど低く、赤に近いほど高い)を棒グラフで比較してみました。


沖縄県は、年齢調整死亡率は平均的(早死にでもなく長寿でもない)である一方、粗死亡率はかなり低い(死者数が少ない)ことがわかります。つまり、上述したように「沖縄県の死者数はそもそも少ない」ために老衰による死者数も少なかったと解釈できます。

なお、沖縄県では「慢性閉塞性肺疾患」「肝疾患」そして「大動脈瘤及び解離」による死亡率(年齢調整死亡率)がかなり高いようです。



2012年4月30日月曜日

省庁が発表する統計データで何ができるか(データジャーナリズムの実験)【後編】

前回に引き続き、省庁が発表する統計データで何ができるのか考えます。

対象とする統計データは、厚生労働省が1965年以降5年に1度、国税調査にあわせて調査している「都道府県別年齢調整死亡率」(年齢調整された都道府県別・死因別の死亡率)で、今回はこれをGoogleが提供するデータ分析サービス「Google Public Data Explorer」を使って分析してみます。Google Public Data Explorerについては過去のポストをご参照ください。


Google Public Data Explorerは、「用意されているデータを使った分析」とは別に、「自分で用意したデータの分析」にも利用できます。「都道府県別年齢調整死亡率」のデータは厚生労働省のウェブサイトで公開されていますので、今回はこれをGoogle Public Data Explorerに適用したうえで分析することを考えます。分析までのステップは以下の通りとなります。

  • ステップ1:統計データを取得する
  • ステップ2:統計データをGoogle Public Data Explorer形式に整形する
  • ステップ3:統計データをGoogle Public Data Explorerに適用する
  • ステップ4:統計データをGoogle Public Data Explorerで分析する

厚生労働省も含め、各省庁が実施している調査の結果は、調査レポートとセットで生データが公開されています。今回の分析対象となるデータ「都道府県別年齢調整死亡率」も厚生労働省のサイトにExcel形式で公開されているので、これをダウンロードすればステップ1は完了です。


続いてステップ2。実はここで時間がかかり、前回ポストから間が空いてしまいました。Google Public Data Explorerに独自データを導入するには、これをDSPLという専用フォーマット(DSPLファイルとCSVファイル群)に整形する必要があります。仕様の把握はさほど難しくはないのですが、どのような分析をするかによって整形方針が異なり、始めのうちは多少施行錯誤することになると思います。


DSPLへの整形方法については、後日別の形式でまとめてみたいと思いますが、参考までに今回整形したデータを公開しておきます。過去データ(2010年より前のデータ)と直近データ(2010年のデータ)とでは、項目と値の範囲に大きな差異があるため、2種類のデータセットとして登録しました。


ステップ3は、ステップ2で作成したDSPLファイルとCSVデータ群を格納したディレクトリをZIP形式で圧縮し、Google Public Data Explorerにアップロードすれば完了です。アップロード時に共有範囲の設定ができますので、ここを「パブリック」としておけばブログなどに張り付けて不特定多数の人に見てもらえるようになります。なお、アップロードは、Googleアカウントにログインした状態で以下のページより行えます。


無事にアップロードされ、実際にGoogle Public Data Explorerで使える状態になると結構感動します。そしてデータが視覚化されることで、実に多くの事が見えてきます(ステップ4)。例えばこれ。



各県の自殺による年齢調整死亡率をバブルチャートで表したものですが、三重県は男女ともに低く、福井県は女性、徳島県は男性が、それぞれ突出して低い一方、岩手県、秋田県、青森県は男女ともに高いことがわかります。

ここで自殺を不慮の事故に変えると、今度は違った景色が見えてきます。



不慮の事故による死亡率は、東京や京都では男女ともに低く、高知県や石川県では高いことがわかります。

最も幸せな死に方、老衰も見てみましょう。



こうしたデータをもとにして可視化された「事実」は一体何を表しているのでしょうか(右上で隠れている県は三重県です)。さらに調査・分析を進めるきっかけとしては面白い素材になるのではないでしょうか。前編でご紹介した記事がとても薄っぺらく見えてくるかもしれません。

最後に、男女の死因を比較しておきます。





男性、女性とも、がんによる死亡が圧倒的に多いですね。

今回私がアップロードしたデータは以下のページよりご利用いただけます。


存分に分析されてみてください。不明な点などあればコメントください。

2012年4月24日火曜日

省庁が発表する統計データで何ができるか(データジャーナリズムの実験)【前編】

データジャーナリズムの実験第2弾です。前回はGoogleにあらかじめ用意されているデータを元に「日本人は起業したがらない」は本当なのか検証してみましたが、今回は省庁が発表する統計データを少しジャーナリスティックに活用してみたいと思います。とは言え私は一介のエンジニア、多少の不慣れはご容赦ください。

さて、各省庁のホームページにはたいてい「統計情報」のメニューが用意されており、そこには各省庁が実施した様々な調査により生み出された無数の統計データが格納されています。ある人はこれを「宝の山」と称したほど。今回はねんきん定期便でお世話になっている厚生労働省ホームページから、ボリュームがさほど大きくなく、かつ比較的新しいデータを探索した結果、3月1日にアップされた「都道府県別にみた死亡の状況 -平成22年都道府県別年齢調整死亡率-」を題材として選択しました。少々ものものしいですが。


「年齢調整死亡率」とはなかなか聞きなれない言葉ですよね。私は初めて目にしました。ということで少し調べてみたのですが、これが実にわかりにくい。結局完全に理解できませんでした。以下、ウィキペディアでの説明です。

年齢調整死亡率 | ウィキペディア
算出する際の基準に標準集団(日本では「昭和60年モデル人口」がよく用いられる)を用いて、人口の年齢構成による影響を排除したもの。すなわち、異なる年齢構成の集団を比較できる有用性を持つ。直接法と間接法があり、直接法は標準集団の年齢別人口と調査対象集団の年齢別死亡率の積を、各年齢についての総和したものを、標準集団の全人口で割って算出する。間接法は標準化死亡比率に標準集団の死亡率を乗じて算出する。なお、年齢調整死亡率は標準集団に何を選ぶかによって算出結果が異なるため、この死亡率が何を表しているかは直感的に理解しにくい。

教えて!GooやAll Aboutには同じような疑問を持った方からの質問が掲載されていました。多くの方が「年齢調整死亡率」の理解に往生しているようです。Yahoo!知恵袋での回答が一番分かり易かったので引用しておきます。集合知は有りがたいですね。

たとえば過疎の村と若者が多いところ二つの死亡率を比較したい時、両者の年齢層が異なる事から単純な比較はできません。それを年齢構成を標準化することによって計算しなおして比較できるようにしたものを年齢調整死亡率といいます。

ようは都道府県別の「住みやすさ(死ににくさ)」を表す指標のようなものらしいのですが、単位が「人」でなく「率」であるにもかかわらず、実際のデータを見ると数百・数千の値となっているため(例えば平成22年の長崎県男性の年齢調整死亡率は「572.8」)、ウィキペディアにもあるように、この値が何を指しているのか、直観的に理解しにくいのです。ちなみに計算式は以下のようになります。


「人数を人数で割って(粗死亡率)人数を掛けた結果(ここまで分子)の総和を人数で割る」という鬼の所業。これだけわかりにくい統計データをマスコミはどのように報じているのだろうとふと思い、調べてみました。

死亡率最高は青森、最低は長野 10年厚労省調査 | 朝日新聞デジタル 
各都道府県で比べた死亡率が2010年に最も高かったのは男女ともに青森県、最も低かったのは長野県だったことが、厚生労働省の調査でわかった。全国の死亡率は、男性が人口10万人当たり544.3人(05年の前回調査は593.2人)、女性は同274.9人(同298.6人)で、ともに下がった。 
この調査では5年ごとに、各県の年齢構成の違いをそろえたうえで人口10万人当たりの死亡数(都道府県別年齢調整死亡率)を算出している。 
男性では青森、秋田、岩手の東北3県が死亡率の上位を占めた。女性は青森、栃木、和歌山の順だった。青森はがん、心臓病、脳卒中の「3大死因」ごとに見ても、軒並み上位となった。厚労省の担当者は「塩辛い食べ物が多いことや、冬場は外で運動しにくいことなどが関係しているのではないか」としている。 

平成22年の死亡率、男女とも前回より減少 | MSN産経ニュース 
平成22年の全死因における全国の死亡率は、5年前に比べ男女とも減少傾向にあり、人口10万人当たり男性は593・2人から544・3人、女性は298・6人から274・9人になったことが1日、厚生労働省が発表した都道府県別年齢調整死亡率で分かった。
年齢調整死亡率は高齢化の影響を計算上取り除いた人口10万人当たりの年間死亡者数。国勢調査にあわせ5年に1度集計している。 
都道府県別では、男女とも長野県が最も低く、男性477・3人、女性248・8人。同県の男性は2年以降、5調査連続で最低だった。一方、青森県の男性は662・4人と12年以降3調査連続で最も高かった。ただ、死亡率は全国的な低下に伴い、地域差は年々小さくなってきている。 
がんや心疾患など代表的な死因はいずれも減少したが、自殺だけは女性でわずかに増加。男性は17年の31・6人から29・8人に低下したが、女性は同10・7人から10・9人に増加した。

非常にあっさりとした内容で少し残念な気がします。国民の税金で作られたせっかくの統計データなのだからもう少し有効活用しても良いのではないか…しかも単位を間違えているし…さらに、年齢調整死亡率は平時であれば、科学や医療の進化により毎年減少するものですので、少し辛口ですが、MSN産経ニュースの記事タイトルは「今年もひとつ歳をとりました」的なものだと言えなくもないのです。

※上述しましたが年齢調整死亡率の計算では「人数を人数で割って人数を掛けた結果の総和を、人数で割っている」ため、分子も分母も単位は「人」となり、私が中学生のころに確立・統計の授業で習ったこと、そして記憶が確かであるならば、単位は「人」には成り得ません。

省庁が発表する統計データを活用する前の準備段階で、既にちょっとジャーナリスティックになってきました。後編では実に分かり難いこの「都道府県別年齢調整死亡率」を、Google Public Data Explorerを利用し、実際に分析してみたいと思います。お楽しみに。

2012年4月23日月曜日

過去、現在、未来をつなぐ写真

先日までラフォーレ原宿で開催されていた震災写真展&ライブイベント『THE FUTURE TIMES Gallery and Live』に行ってきました(既に終了しているイベントです)。『THE FUTURE TIMES』はASIAN KUNG-FU GENERATIONのゴッチが昨年11月に創刊した "新しい時代のこと、これからの社会のこと。未来を考える新聞" で、現在2号まで(0号、1号、2号)発刊されています。



『THE FUTURE TIMES Gallery and Live』に展示されていたのは、渋谷敦志さん安田菜津紀さん、そしてLIVEonWIRE_JOURNALにもご参加いただいている佐藤慧さん、3名のフォトジャーナリストが、東日本大震災以降、苦悩しながらも撮り続けた被災地、そして被災者の写真。


私はイベント最終日の閉会1時間前に到着したのですが、間もなく閉会にもかかわらず、とにかくもの凄い熱気でした。目に付いたのはこれからの東北、日本、世界を担っていくであろう若い人。無残な写真、凄惨な写真、笑顔が溢れている写真、震災直後に撮影された写真、少し前に撮影された写真、復興が進んだ地域の写真、全く復興されていない地域の写真、そしてフォトジャーナリストのメッセージ、そこから何かを見出そうとしているかのように、みなとても真剣な表情で写真を見つめていたのが印象的でした。

3人のフォトジャーナリストにメッセージを残すコーナーがあったのですが、そこも長蛇の列。何かを書き残したい、何かを伝えたい、そうした強い想いがあったのでしょうか。


真摯な目で被災地・被災者を見つめ続けてきた3人の写真と3人からのメッセージによって、さほど若くはない私でさえ、心を動かされました。会場でふと見た渋谷敦志さんのメッセージは、今でも心に響いています。

何を信じればいいのか分からなくなっていた僕はとにかく現場に立ち、眼を明け、耳をすまし、心を開いて、少なくとも自分にとって確かなことを見つけたかった。見て見ぬふり、わかったふりして、もうこれからを生きることはできない、そう思ったのだ。

2012年4月17日火曜日

「日本人は起業したがらない」は本当か(Googleを使って社会を読み解く)

日本ジャーナリスト教育センター(JCEJ)が先日開催したワークショップ「データジャーナリズム実践:Googleで社会を読み解く」では、Googleが提供するデータ分析サービス「Google Public Data Explorer」及び「Google Insights for Search」の使い方を学びました。今回はこれらを使い、よく耳にする「日本人は起業したがらない」は本当か、検証してみることにします。


なお、このテーマについては既に「Chikirinの日記」や「My Life After MIT Sloan」において優れた分析がなされていますが、ここではゼロベースで考えてみます。


さて、少し古いデータで恐縮ですが、総務省が発行した2年前の情報通信白書によれば、2009年の日本における起業家の割合は、他の国に比べて低いようです。

我が国の起業の現状 | 平成22年版 情報通信白書 
日本の起業活動については、2009年における生産を担う層に占める起業家の割合を主な20か国で比較すると、最下位といった状況がある。


この状況から「日本人は、他の国に比べて起業に対する意識は低い」とも考えられますが、実際どうなのでしょうか。

Google Public Data Explorerに国別の起業動向や起業マインドに関する調査結果「Global Entrepreneurship Monitor (GEM)」のデータセットが公開されています。ここに国別の「Entrepreneurial Intention(起業する意思の度合い)」に関するデータが用意されていますので、これを使って2009年における日本と日本以外の国とを比較してみましょう。なお、Global Entrepreneurial Monitorについては、以下のスライドをご参照ください。


まず、世界における日本のポジションから。Google Public Data Explorerに用意されている4種類のグラフ「折れ線グラフ」「棒グラフ」「分布図」「バブルチャート」のうち、ここでは棒グラフで表現してみることにします。縦軸は労働人口に占める「起業したい」と考えている人の割合です。



日本のポジションは一目瞭然、かなり低いですね。サウジアラビア、ロシアに続き、下から3番目に位置しています。ちなみに一位(一番左)はウガンダで、上位はアフリカや南アメリカの国々が占めており、これらの地域に勢いがあることがわかります。

続いて時系列でもみてみましょう。今度は折れ線グラフで表現します。全ての国を表示させるとわかりにくくなるため、日本と、米国、そして中国を比較してみます。



残念ながらやはり日本人の起業に対する意識は、データが存在する2002年以降変わらず低いようです。米国人の意識はさほど高くない一方、中国人の意識はさすがに高いですね。

今度はバブルチャートを使い、少し複雑な分析をしてみましょう。バブルチャートでは4つの要素を同時に表現できるため、多面的に物事を捉えることができます。ここでは各要素の意味合いを以下の通り設定してみました。

  • 横軸:全労働人口のうち、起業の機会があると考えている人の割合(Perceived Opportunities)。右にいくほど起業の機会があると考えている人の割合が高い。
  • 縦軸:全労働人口のうち、起業するために必要なスキルは既に持っていると考えている人の割合(Perceived Capabilities)。上にいくほど起業のためのスキルを既に持っていると考えている人の割合が高い。
  • 泡の色:全労働人口のうち、起業したいと考えている人の割合(Entrepreneurial Intention)。青は低く、赤が高い。赤に近づくほど起業したいと考えている人の割合が高い。
  • 泡の大きさ:起業に対する恐怖心の大きさ(Fear of Failure Rate)。泡が大きいほど失敗の恐怖を大きく考えている人の割合が高い。



日本は突出して左下に位置し、泡の色は青で比較的大きいことから、「起業の機会がない」「起業するために必要なスキルを持っていない」「起業したいと思っていない」「失敗するのが怖い」と考えている人が多数を占めているのがわかります。ただ、「失敗するのが怖い」のはどの国でもあまり変わらない(泡の大きさがあまり変わらない)ことから、それ以外の3要素に問題があるのでしょう。

ここまで、Google Public Data Explorerを使い、日本人は他の国とくらべて相対的に起業したがらない」傾向があることがわかりました。「Global Entrepreneurship Monitor (GEM)」のデータセットにはここで利用したものも含め、起業実態に関するデータが多数含まれていますので、他の視点から調査してみても良いかもしれません。

次にGoogle Insights for Searchを使い、日本人の意識を調査してみましょう。Google Insights for SeacheではGoogleで検索されたキーワードの頻出度(特定のキーワードが、いつ、どこで、どのくらい検索されたか)を調べられることから、キャンペーンやマーケティング施策の効果測定でよく利用されているようです。

ここでは「起業」というキーワードと、起業とは異なる就業形態である「就職(就職 + 就活 + 就職活動 + 転職)」というキーワードで比較してみます。



安定志向が強いせいか、やはり「就職」の方が圧倒的に検索されているようです。Google Insights for Searchでは伸び率も見ることができるため、こちらもチェックしておきましょう。



「就職」も減っていますが、「起業」はそれ以上に減っていいることがわかります。ここで、米国の状況とも比較しておきましょう。



米国でも「就職("job search" + "job hunting")」が減ってきているとはいえ「起業(entrepreneur)」もさほど多くはないことがわかります。しかしながら…



「起業」に対する意識は高まってきているようです。

以上、Google Public Data ExplorerとGoogle Insights for Searchを使い、「日本人は起業したがらない」は本当か、調査してみました。ここでの結果としては、「日本人は起業したがらない傾向が強い」ぐらいは言えるのかもしれません。

最後にGoogle Correlateを使い、「どうすれば日本で起業が増えるのか」そのヒントを探ってみましょう。


Google Correlateでは相関が高い(検索傾向が似ている)検索キーワードのペアを見つけることができます。ここでは一つの仮説として、日本人の「起業」に対する意識と相関が高いキーワードを見つけ、それを流行らすことができれば、自然と起業に対する意識も高めることができるのではないか、と考えてみます。

調べてみました。


「起業」はどうやら「温浴」「ゲルマニウム 温浴」そして「キボンヌ」と相関が高いようです。日本にゲルマニウム温浴ブームを起こし、「キボンヌ」という言葉をみなが使うようになれば、起業する人が増えるのかもしれません。

みなさんも独自の分析を試みてはいかがでしょうか。以下、参考文献となります。


2012年4月10日火曜日

Googleを使って社会を読み解く(予習2:Google Trends)

前回の「Google Public Data Explorer」に続き、今回も日本ジャーナリスト教育センター(JCEJ)が開催するデータジャーナリズムの実践ワークショップで利用するGoogleツールのまとめです。今回は「Google Trends」。


Google Trendsは、特定のキーワード(単語)がGoogleでどれほど検索されているか、その傾向を折れ線グラフで視覚化するツールです。私自身は普段あまり利用しないのですが、マーケティングを仕事にされている方であればもはやおなじみのツールとなっているのでしょうか。Google Trendsについては以下の記事によくまとめられています。


ワークショップ当日はこのGoogle Tremds(もしくは前回ご紹介したGoogle Public Data Explorer)を利用し、最終的には記事のアウトラインを作成します。実際にGoogle Trendsを利用した記事を探してみましたが、あまり多くは探し出せませんでした。ご参考までに、以下のようなものがあります。


前回のポストにも書きましたが、ワークショップ当日に記事のテーマを設定するのは結構大変だと思いますので、事前にテーマを有る程度考えておいた方が良いかもしれません。

今のところ当日使う予定はありませんが、Google Trendsにはドメイン(ウェブサイト)別にアクセス数の推移をグラフ化する「Google Trends for Websites」と、Google Trendsよりもさらに詳細な調査が可能な「Google Insights for Search」、ウェブサイト別に詳細なアクセス傾向を把握する「Google Doubleclick Ad Planner」という姉妹品もあります。


私もときどき利用するGoogle Trends for Websitesでは複数ウェブサイトの比較も可能です。


例えば新聞大手4紙(朝毎読+日経)が運営するウェブサイトのアクセス数(2012年4月10日から過去1年間)を比較するとこのようになります。


ここにヤフーニュースを加えると…


何か記事が書けそうではないですか。

2012年4月9日月曜日

Googleを使って社会を読み解く(予習1:Google Public Data Explorer)

私も運営に参加している日本ジャーナリスト教育センター(JCEJ)では、4月14日にデータジャーナリズムを実践するワークショップを開催します。ここではその予習として、ワークショップで利用するデータ分析ツール「Google Public Data  Explorer」で何ができるのか、少しまとめておきます(「Google Trends」については次回)。ワークショップの開催概要はJCEJのブログをご参照ください。

萩原雅之さんを講師に「データジャーナリズム実践:Googleを使って社会を読み解く」を行います | JCEJブログ 
ソーシャルメディアの浸透や、政府によるネットを利用した情報発信の普及、ウィキリークスの出現などにより、ネット上のデータを収集/分析/可視化/発信するための手段として「データジャーナリズム」が注目される一方、マーケティングリサーチ業界では古くから「ネット上のデータを収集/分析/可視化/発信」を実践してきていました。 
ワークショップでは、マーケティングリサーチャーの萩原雅之さんを講師にお迎えし、マーケティングリサーチ業界で長年に渡って蓄積されてきたデータを扱うためのノウハウをデータジャーナリズムに実践的に活かすことを試みます。 
具体的には、世界中の政府、民間の公開データが収録され、項目を選ぶだけでグラフ化され、貧困、健康、経済、格差、戦争などの社会問題をわかりやすく伝える目的で使われる「Google Public Data  Explorer」と検索語のデータを、クエリ、時期、エリアなどで自由にグラフ化できる「Google Trends」の使い方の説明を受け、検証したいテーマを設定し、実際にデータを選択、収集、分析、解釈し、記事のアウトラインを作成します。

Google Public Data ExplorerはGoogleが提供するWebブラウザで利用可能な公開データの分析ツールで、国連機関や米国政府などがネット上に公開している様々な指標データを、折れ線グラフや棒グラフで視覚化し、ウェブページやブログなどに組み込むことができます。


例えばPIIGS(ポルトガル、イタリア、アイルランド、ギリシャ、スペイン)とドイツの国内総生産に対する一般政府債務の割合をグラフ化するとこんな感じです。ギリシャが格別なことがわかります。



Google Public Data Explorerには英語版のほかに日本語版やフランス語版などもあり、言語別に利用可能なデータの種類が異なります。2012年4月9日現在、日本語で利用できるデータが5種類に対し、英語で利用できるデータは64種類と、英語版のほうが圧倒的にデータの種類が多いため、日本語版に利用できるデータが無い場合は英語版で探してみても良いかもしれません。

なお、日本語版では、世界銀行が発表する「世界開発指標」、およびユーロスタット(欧州委員会において統計を担当する部局)が発表する「ヨーロッパの失業データ」「ヨーロッパの最低賃金」「ヨーロッパのブロードバンド普及データ」「ヨーロッパの政府負債」が公開されています。

世界銀行の「世界開発指標」には、国別の「人口」「出生率」「国内総生産」などの一般的な指標から、「5歳未満児の死亡率」「1人あたりのCO2排出量」「1人あたりの電力消費量」などニュースを読むときに参考となるような指標まで幅広く含まれています。


一方、英語版では、日本語版で公開されているデータに加え、国連開発計画(UNDP)が発表する「人間開発指数(Human Development Indicators)」、IMFが発表する「世界経済見通し(World Economic Outlook)」、世界経済フォーラムが発表する「各国の競争力をまとめたレポート(Global Competitiveness Report)」などのほか、米国政府やEUが発表するデータが公開されています。オープンガバメントを進めている米国政府のデータが充実しているのは流石です。誠に残念ながら日本政府が発表するデータはありません。


ワークショップ当日はここで紹介したGoogle Public Data Explorerか次回紹介するGoogle Trendsを使い、以下のような手順でデータジャーナリズムを実践します。

  1. ニュースなどをもとに記事のテーマを設定する(仮説を立てる)
  2. Google Public Data ExplorerもしくはGoogle Trendsでデータを分析する
  3. データ分析結果をもとに記事のアウトラインを作成する

このうち「ニュースなどをもとに記事のテーマを設定する(仮説を立てる)」が実は結構大変だと思いますので、貧困、健康、経済、格差、戦争など、自分が調べてみたいテーマを事前に考えておくことをお勧めします。また、Google Public Data Explorerで公開されている各データについて、当日の講義でも説明はあると思いますが、結構充実していますので、事前に確認しておくと良いかもしれません。

Google Public Data Explorerについては以下の記事も参照してみてください。


次回はGoogle Trendsについてまとめてみます。Googleはすごいですね。

2012年4月5日木曜日

地方紙記者の底力に圧倒された飯南町の夏

今更ながら昨年8月、私は地方紙記者とのガチンコバトルに挑み粉々に粉砕されました。

バトルフィールドは、出雲空港から車で約1時間、山陰の山々に囲まれ風光明媚な景色が広がる島根県飯南町。種目は記事執筆。ミッションは「参加者は各自事前に取材テーマを定め、1泊2日で島根県飯南町を取材し、JBPRESに掲載される記事を執筆せよ」というもの(JBPRESS:Japan Business Press、新興のオンラインメディア)。私も運営委員として参加している日本ジャーナリスト教育センター(JCEJ)主催の「ジャーナリストキャンプ2011」での話です。



ジャーナリストキャンプで記事執筆ミッションに挑んだのは、地方紙の記者6名のほか、PRパーソン、NPO関係者、ネットメディアの営業、そして私の10名。

ここで存分に力を発揮したのが地方紙の記者でした。普段から記事を書いているとはいえ、文字数制約の有無や、読まれるための工夫の仕方の違いなど、新聞とネットでは記事の書き方は全く異なるため、相当ハードルは高かったのではないかと思われます。実際、記事を書きあげるまで何度も書き直しを繰り返したり、再取材を試みるなど、かなり苦労されていました。地方紙の記者がオンラインメディア向けの記事を書く難しさについては、JCEJ代表の藤代さんも指摘されています。


しかしながら、最終的には地方紙記者全員の記事が見事JBPRESSに掲載されました。しかも単に掲載されただけではなく、いずれの記事も多くの人に読まれました。掲載された記事から共通して感じるのは「島根県飯南町という小さな町での事象が、身近なこととして捉えてもらえるように(ネット上で広く読まれるように)一般化されている」こと。今読んでも良い記事ばかりです。


テーマを明確に設定し、丹念な取材を繰り返し、センセーショナルな手段を採ることなく多くの人に読まれる記事を執筆する、そのポテンシャルを持つ地方紙記者のこれからの活躍が楽しみです。みなさん、本当に魅力的なかたでした。


ところで私はと言えば…残念ながらミッションは失敗に終わりました。

私には取材経験も記事執筆経験もありませんでしたが、普段から取材に近いこと(システムを設計する際に実施する業務関係者に対する取材)や記事執筆に近いこと(要求仕様書や要件定義書の執筆)はやっていたため、まぁなんとかなるだろうとちょっと思っていました。

しかし、なんともなりませんでした。記事を書きあげることすらできなかった、という散々な結末。敗因はきりがないほどありますが、事前準備が不十分で記事にする事象(地方が抱える問題点)を明確に特定できなかったこと、そして粘り強く記事を書きあげる胆力が無かったことが最も大きかったのではないかと考えています。

とは言え私はジャーナリストやニュースコンテンツ制作者をシステム面などから支援する仕事をしているため、テーマ設定から取材・記事執筆までの一連のプロセスを経験できたのは良かったのですけどね。

飯南町は自然もさることながら、そこに住む人たちもとても素敵でした。飯南高校の報道部は強い!


飯南町で私の拙い取材にご協力いただいたみなさま、記事を完成できず本当に申し訳ありませんでした。以下、私の記事の残骸となります。この書き出しの続きは口頭で…

"愛する故郷のために" ネットでイノベーションを起せるか? - 「IT人材」が鍵を握る  
人口減少に転じた日本。都市部ではまださほど大きな影響を感じることは無いが、人口流出が続く地方では深刻な問題となっている。今や人口1万人以下の市町村は400を軽く超え、そのほとんどは過疎化、高齢化にあえいでいる。このままでは縮小均衡に陥り、最悪、"故郷"が無くなる。 
こうした厳しい状況のなか、故郷を愛する人たちは手をこまねいているばかりではなかった。故郷に人を呼び寄せ、再び活気を取り戻すために、ネットを武器に動き出した人々がいる。しかしその道のりは順風満帆ではないようだ。 
人口5千人強、少子高齢化が進み限界集落も点在する島根県の飯南町において、そこに活気を取り戻すべくネットを駆使する若者たちを取材した。地方はネットでイノベーションを起せるか、システムエンジニアの視点からその可能性を探る。

さて、JCEJでは今年もジャーナリストキャンプを開催します。まずは今月末に、入社3~5年目の社会人を対象とした若手向けのジャーナリストキャンプを予定。


JCEJのブログにジャーナリストキャンプ2011の記録がまとめられています。雰囲気を知りたい、というかたはこちらもご参照ください。


ジャーナリストキャンプ2011とはプログラムの内容は異なりますが、価値観の異なる多様な人たちとこれからのメディアについてじっくり議論する、またとない機会となるはずです。

猫島からの便り

東日本大震災で被災し窮地に陥った猫島(宮城県石巻市田代島)を支援しよう、ということで震災直後に立ちあがった「にゃんこ・ザ・プロジェクト」。ねこ好きの私としては黙って見過ごすことはできず、微力ながら支援者となりました。


そしてそのことをすっかり忘れていたある日、プロジェクトの代表の方より感謝のメールが届きました。以下はその抜粋です。

感謝と御礼およびご報告
日ごろより、震災からの復興を目指す当プロジェクトに賛同し、たくさんのご支援をお寄せくださっている皆様に改めまして心より感謝申しあげます。 
お陰様で、田代島の漁業と観光施設の復興に向けて、物品が不足する中、少しづつ必要な資材や車輌を調達し、8月には種牡蠣の垂下を行い、牡蠣養殖再開への小さな一歩を踏み出すことができました。 
今春は更に、牡蠣棚を増やしていく予定です。津波で失われた施設の再建につきましても、関係機関と相談を進めております。 
猫島田代の住民の大切な猫達も、たくさんの方々からのご支援を受けながら厳しい冬を乗り越えようと頑張っております。 
当プロジェクトは携わる人数が少なく、離島のハンデもあいまって、活動は遅い歩みではありますが、皆様に恥じない運営、活動を続けて参りますことを、震災から一年を迎えようとするこの時期にあらためてお約束させていただきたく存じます。

こうした報告をいただける、というのは本当に嬉しいですね。心遣いが身に沁みます。これからも頑張ってください。

こちらは猫島から昨日届いた記念品「田代島にゃんこ共和国国民証」。


ますます猫島を応援したくなります。現在は支援の受付を止めているようなので、猫島の状況が落ち着いたら一度行ってみたいものです。

2012年4月1日日曜日

『ウェルカム・ニッポン』

松尾スズキさんが脚本を書かれた大人計画の演劇『ウェルカム・ニッポン』を観てきました。間に休憩をはさむ、3時間の大作です。


宮藤官九郎さん、阿部サダヲさん、宮崎吐夢さん、荒川良々さん、平岩紙さんなど、今作は珍しく大人計画のほぼフルメンバーが集結していました。しかもこの日はちょい役で星野源さんも出現、TVドラマ『11人もいる!』で魅せたあの歌声を披露してくれました。

さて、肝心の内容。まだ公演中なのでネタばれはしませんが、松尾スズキワールド全開、と言っても良いのではないでしょうか。畳み込むようなタブーのオンパレード。「ほら、これが人間なんだよ。愚かだし、醜いし、どうしようもない。みんな、同じなんだぜ。」と、容赦なく突きつけられます。オブラートに包むことなく、それはもう明快に。これはテレビや雑誌では無理です。

そして、これだけだとさすがに何の救いも無く、ただげんなりして終わり、となってしまうところですが、松尾スズキさんは決してそんなことはしません。ここに見事な笑いが絶妙に組み込まれているから救われます。純粋なエンターテイメントとしても存分に楽しめました。

松尾スズキさん、本当にさすがです。

今作も人気で前売り券は既に売り切れのようですが、頑張れば当日券はまだ買えると思います。8月に予定されている次回作『ふくすけ』も楽しみですね。


古田新太さんや大竹しのぶさんも出演されるようです。

2012年3月31日土曜日

「ジャーナリストとともに学び、社会に関わるためのニュースメディア」始動


先月末(2012年2月29日)、約10か月の準備期間を経て、ニュースメディア『LIVEonWIRE_JOURNAL(ライブオンワイアージャーナル)』をローンチしました。こちらはオルタナSに掲載された記事です。


LIVEonWIRE_JOURNALは、読者にとって「ジャーナリストとともに学び、社会に関わるためのニュースメディア」であると同時に、参加ジャーナリストにとっては「読者とつながる場所」とし、一人でも多くの読者と参加ジャーナリストを「取材テーマ」でつなげていくことを目指します。「ニュースメディア」というよりも「ニュースコミュニティ」の方が言葉としては近いかもしれません。

現在既にご参加いただいているジャーナリストは、佐藤慧さん(@KeiSatoJapan)と楠本涼さん(@RyoKusumoto)の新進気鋭、若手フォトジャーナリストのお二人。これからも熱意あふれる若いジャーナリストやジャーナリストを志望する方にご参加いただくことを画策しています。

取材テーマは当面「震災」がメインとなりますが、参加ジャーナリストが持つそれぞれのテーマに徐々に広げていくことを考えています。

運営メンバーはstudioAFTERMODEの代表、矢萩邦彦さん(@yhgsa)と私を含め7名で、全員が本業の傍らLIVEonWIRE_JOURNALを運営していくことになります。矢萩さんが編集長を務め、私はディレクターとしてサイトの構築/運営/改善を担当します。

記事の質を重視しているため、ローンチしてから約1カ月で記事2本、対談記事2本と、記事の配信ペースは非常にスローですが、配信済の記事はいずれも力作、もし良ければぜひ一度お読みください。


今後、「もっと読みたい」「もっと知りたい」と思っていただけるような記事を配信していきたいと思いますので、気長に応援いただけると嬉しい限りです。


2012年3月30日金曜日

JEF2012データジャーナリズムセッションを終えて


ソーシャルメディアの浸透や、政府によるインターネットを利用した情報発信の普及、ウィキリークスの出現などにより、ジャーナリズムとネットは切り離せなくなりました。情報技術に対する理解無くしては、マスメディアと言えども情報の収集も発信もこれから益々難しくなります。

一方、ジャーナリスト活動に従事されている方々は、「情報技術について学ばなければついていけなくなる」という危機感を持ちながらも、日々忙しく、なかなか学ぶ機会が無いのが現状です。私はメディア企業で働いているのですが、記者・編集者のなかにそのような方をよくお見受けします。

そこで去る3月3日に日本ジャーナリスト教育センター(JCEJ)主催で開催したイベント「ジャーナリスト2012(JEF2012)」では、情報発信に携わる人たちが、聞いたその日から役立てられるような情報技術に関する知識を得られる場をつくりたい、との想いから、JCEJサポートメンバーの新志さん(@green000111)とともに「データジャーナリズム」のセッションを設計しました。

お招きした講師は、楽天技術研究所長の森正弥さん(@emasha)、駿河台大学経済学部専任講師の八田真行さん(@mhatta)、トランスコスモス株式会社理事でエグゼクティブリサーチャーの萩原雅之さん(@m_hagihara)、そして早稲田大学ジャーナリズム・コース准教授の田中幹人さん(@J_Steman)の4名です。半日で、情報技術の大局を知り(森さんの講義)、世界のデータジャーナリズムを概観し(八田さんの講義)、データからインサイトを得る神髄に触れ(萩原さんの講義)、データジャーナリズムのノウハウを獲得(田中さんの講義)する、というとても濃密なプログラムとなりました。詳細については新志さんによるブログ記事をご参照ください。


JEF2012では、「データジャーナリズム」の他に「コミュニケーションデザイン」と「イノベーション」のセッションを用意、いずれも盛況となりました。データジャーナリズムは他の二つのテーマに比べてやや硬く、あまり人は入らないかな、と予想(覚悟)していたのですが、良い意味で裏切られ、データジャーナリズムに対する注目度の高さを感じることができました。当日の様子はセッション参加者による感想レポートにまとめられています。


JCEJで毎月開催しているワークショップでも、今後データジャーナリズムを学ぶ機会をご提供できればと考えています。そして早速来月(4月14日)は萩原さんにお願いさせていただきました。


データジャーナリズムにご興味のあるかたはぜひご参加ください。

2012年3月28日水曜日

ブログ再開

本当に久しぶりのブログ更新。

この一年、本当に色々ありました。多くの方と出会うなかで、自分の非力さを痛感した一年でもあり、自分がやれること、やりたいことを模索し続けた一年でもありました。

ようやく落ち着いてきたこともあり、これからまた少しずつ更新していこうと思います。

ブログのデザインも一新。