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2013年7月22日月曜日

参院選2013、ネット利用動向から見た政党の特徴

ネット選挙活動解禁後初の国政選挙となった参院選2013。ソーシャルメディアに対する取り組みは党ごとにだいぶ異なっていたようですね。代表的なソーシャルメディア、「ブログ」「ツイッター」「フェイスブック」の利用動向を調べてみました。

[図1] 候補者の政党別ソーシャルメディア利用率(議席を保有している政党)

図1は候補者の政党別ソーシャルメディア利用率(議席を保有していた政党)を表しています。これを見ると、自民のフェイスブック利用率(オレンジ)は全体平均の50.6%に比べて20%以上高い75.6%と全政党中最も高く、フェイスブックを利用した情報発信に力を入れようとしていたことがわかります。総裁がフェイスブックを積極的に利用している、その影響があったのかもしれません。

一方、みんな、生活、共産、維新は、ツイッターの利用率が高くなっていました。

このなかで注目したいのは共産です。共産はブログの利用率も高く、ややインナーサークル的な要素があるフェイスブックはあまり利用せず、情報を広く届けようとする意思を感じました。自民とは対照的ですね。

図2(参院選候補者のツイッターアカウント開設数の推移)に示すように、ツイッターアカウントの開設数は2013年に入ってから急増しており、多くの候補者が参院選に合わせ駆け込みでアカウントを開設していました。

[図2] ツイッターアカウント開設数の推移

このようななか、図3に示すように、共産候補者の2013年の開設数は低く、以前からツイッターを利用した情報発信に力を入れていたことがわかります。今回の参院選、共産は議席数を大きく伸ばしましたが、この辺りの取り組みが影響しているのかもしれません。まぁ、ここで言及しているのは「何を使っていたか」であり、「どう使っていたか」を別途調査してみなければ正確なところはわかりませんが。

[図3] 2013年のツイッターアカウントの開設状況

もう一点、気になる傾向があります。無所属の候補者や小さな政党に属している候補者のソーシャルメディア利用率は、大きな政党に属している候補者に比べて、非常に低くなっています。例えば、ブログの利用率。全体平均はおよそ65%ですが、無所属の候補の利用率はおよそ33%、小さな政党に所属する候補の利用率は50%と、いずれも低く抑えられていました。ツイッター利用率、フェイスブック利用率でも同様の傾向となっています。

[図4] 候補者の政党別ソーシャルメディア利用率(その他)

ソーシャルメディアは本来「持たざるも」にとっての武器となるはずですが、残念ながらそうはなっていないようです。ソーシャルメディアの利用をサポートするような組織力の有無が影響しているのかもしれません。正確なところはわかりませんが、財力も影響しているとなると、「ネット選挙活動にはお金がかからない」とは単純には捉えることはできないのかもしれません。

ちなみに、男女別ソーシャルメディアの利用率は図5のようになりました。女性候補者の方がやや利用率が高いですね。

[図5] 候補者の男女別ソーシャルメディア利用率

年代別では、若い世代の利用率が高い傾向がありました。70代も頑張っていますね。

[図6] 候補者の年代別ソーシャルメディア利用率

最後に興味深いファクトを一つ。

ブログを開設している候補者は、全候補者433人のおよそ65%にあたる282人。このうち180人がブログサービスを利用しているのですが(残りの102人はレンタルサーバなどにブログ用のCMSを導入)、その半分以上が、ブロガーでもなく、はてなダイアリーでもなく、Livedoorブログでもない、「アメブロ」を利用していました。その数驚きの96人、利用率にしておよそ53%。2番目に利用されているブログサービスはFC2で22人、3番目に利用されているのはgooブログで10人となっており、アメブロが明らかに突出しているのがわかります。ブログサービスの国内シェアでもわかれば比較してみたいところですが。この業界に精通する後輩が言うには、サイバーエージェントは結構プロモーションしてるらしいのですが、その成果なのですかね。

[図7] 候補者が利用しているブログサービス

ちなみにブログと言えばコメント欄。「候補者は特に炎上を恐れてコメント欄は閉じているんじゃないのかな」などと邪推していましたところ、それほどでもなく、半数以上(全282あるブログのうち、158のブログ)はコメント欄をちゃんと設置していす。対話姿勢はありました。

この記事で利用しているデータをGoogleスプレッドシートにまとめています。よければご活用ください。もし間違いに気付かれましたら、指摘していただけると助かります。