2010年5月14日金曜日

孫正義のビジョン

5月13日の夜に決行された佐々木俊尚氏(@sasakitoshinao)と孫正義氏(@masason)の対談「光の道は必要か?」は期待以上のものでした。
私は孫正義氏が放つオーラや氏のビジョンの大きさ、ビジョンに対する思い、責任感、そういったものに圧倒され、いつの間にかその趣旨である「光の道は必要か?」とは別の次元で本対談を観てしまっていました。本対談の詳細については今後多くのメディアやブログで取り上げられると思いますのでそちらに譲り、ここにはその時の私の思い(ツイート)を残しておくに留めます。

孫さんはやはり希代の経営者。明確なビジョンを持ち、それを自分の言葉でこれほど分かりやすく説明できる人はそうはいない。実務家であるだけに調査にも漏れが無い。 ( #hikari_road live at http://ustre.am/bNTj )less than a minute ago via HootSuite



実務家と評論家では議論にならないか…「佐々木さんが孫さんに取材する」ような趣になってきた感があります。凄まじい実務遂行能力・経験を背景とした孫さんの説得力はハンパない。 ( #hikari_road live at http://ustre.am/bNTj )less than a minute ago via HootSuite



実務の現場が見えていない評論・批判に惑わされないようにしよう。そしてビジョンに向かって突き進む。これしかない。「事件は会議室で起きてるんじゃない、現場で起きてるんだ!」less than a minute ago via HootSuite



孫さんの「ビジョン」の概念と佐々木さんの「ビジョン」の概念には大きな乖離があると感じる。孫さんのビジョンには「命がけで事を為す決意」が内包されているが、佐々木さんのビジョンは単に「想像・空想」の域に留まっている… #hikari_roadless than a minute ago via HootSuite



孫さんは「責任を持ってビジョンを示せば、人(日本)はついて来る」という信念を持たれているように感じる。日本の底力を信じている。佐々木さんはあまり人(日本)を信じられていないのでは…私は両人とも尊敬しています。力を合わせて日本を導いて欲しい。 #hikari_roadless than a minute ago via HootSuite



発言の真意を理解するには、事前に発言者の背景をある程度把握しておく必要がある。さもなければ、表層的な言葉のやりとりとしてしか捉えることはできず、枝葉末子に囚われることになる。less than a minute ago via HootSuite



そして興奮冷めやらぬ対談翌日の朝。

#clipp 「専門的な意見も、社長自ら聞き、すべてを把握した上で短期納品を社員に求める」だから孫さんの「光の道」は信用できる。 / RT @rtwjp: つぶやき経営に社員騒然 - 雑誌記事:@niftyニュース http://bit.ly/bzqvWyless than a minute ago via HootSuite



そう言えば少し前に「孫正義 LIVE 2011」の書き起こしを読み「血が滾った」ことを思い出しました。
本対談で孫正義氏に惹き込まれたのは、あらかじめこれらを読んでいたことも一因としてありそうです。

なお、佐々木氏が仰っていた「日本はプラットフォームで遅れをとっている」これは正にその通りだと思います。私もエンジニアの端くれとして、今後は問題意識を持って仕事に臨んでいこうと決意を新たにしました。

本対談ではUSTREAMのポテンシャルの高さを再認識しました。こうした企画はテレビでは決して実現しなかったはずです。今は色々な意味で時代の変わり目なのかもしれません。今後も佐々木氏と孫氏のご活躍を注視していきたいと思います。

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[2010-05-17 12:42]
「書きお越し.com」に対談の全文が書き起こされています。
凄いですね。書き起こし担当の皆さま、本当にお疲れ様でした。

2010年5月7日金曜日

「伝える技術」を学ぶ

総務省統計局の調査によると2008年時点で情報流通量に対する情報消費量はおよそ530分の1で、99パーセント以上の情報は誰の目にも触れることなくただ存在しているだけ、というのが現状です。情報の選択権は完全に読み手に移りました。

個人・企業を問わず情報の出し手は「自分(自社)が発信した情報を選択してもらい、じっくり読んでもらう」ことに一層注力せざるを得ません。メディア企業にとっては自社が発信した情報を選んでらえるかどうかは死活問題です。また、たとえ今は選んでもらえているとしても、一方的な情報ばかり発信していては読み手には何も伝わらず、いずれ選んでもらえなくなるのは明白です。つまり情報の出し手は今以上に自分(自社)の「伝える技術」を磨き上げる必要があるのです。

このように「伝える技術」は重要である一方、これを学ぶ場が少ないのが現状です。「伝える」ことが本業のマスメディア業界においてさえもOJT(On the Job Training)に頼っている企業がほとんどで、「伝える技術」を系統立てて学べる場を確保できている人は少ないのではないでしょうか。

このような状況を憂慮し、「ガ島通信」の藤代氏(@fujishiro)が中心となって展開されているのがスイッチオン・プロジェクトです。本プロジェクトの問題意識は次の通りです。
  • OJT頼りのジャーナリスト教育(系統だった実践的教育プログラムを受ける場が少ない)
  • ジャーナリズムの「あるべき論」ばかりが先行し、現場はどうして良いのかわからない
  • ジャーナリストが寄って立つ「伝える」ための技術的なフレームワークが存在しない
こうした問題意識を背景に、先日、スイッチオン・プロジェクト主催の合宿セミナー「ジャーナリストキャンプ2010」が開催され、私も参加してきました。
本セミナーの目的は次の通りです。
伝わる情報を発信するためのプロセス、すなわち「伝える技術」をフレームワーク化し、アクティビティを通して意識的・理論的に「共に」学ぶ。
「伝える技術」で肝となるのが「読者を理解すること」です。本合宿セミナーでは「読者を理解すること」について、「自己紹介・他己紹介」「新聞社へプレスリリースを売り込むロールプレイ」「ゲスト講師陣とのトークセッション基に実際に新聞記事の企画を作成する」といったアクティビティを通して徹底的に考させられます。

なお、ゲスト講師の方々からは、普段は決して聴くことができないとても貴重な話をお聴きすることができました。別の記事として是非まとめてみたいと思います。
  • 山内英子氏 - 医師(聖路加病院勤務)
  • 川上量生氏 - ドワンゴ会長
本セミナーには新聞各社に在籍されている記者・編集者の方以外にも、フリーライターやマーケター、研究者など様々な職種の方が参加、皆様の問題意識の高さや視点の多様性を肌で感じ、大いに刺激となりました。ここで学んだ「伝える技術」について、これからも自分なりに考え、実践していきたいと思います。

「伝える技術」を学ぶことにご興味を持たれた方は、是非一度スイッチオン・プロジェクトにアクセスしてみて下さい。

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[2010-05-07 10:35]
藤代氏のブログ「ガ島通信」に「ジャーナリストキャンプ2010」の総括記事が掲載されています。
こちらも参考になります。

[2010-05-10 14:31]
藤代氏のブログ「ガ島通信」に「ジャーナリストキャンプ2010」の参加者の方々のブログ記事が紹介されています。
生の声も参考になります。

2010年5月3日月曜日

#book 未来を予測する

2020年 - 中国が分裂の危機
2020年 - ロシア-アメリカ間で第二次冷戦勃発
2050年 - 日本とトルコがアメリカと戦争
2100年 - メキシコ-アメリカ間で北米大陸の覇権を掛けた戦争が勃発
この未来予測は荒唐無稽なものでは無く、米国のインテリジェンス企業(「インテリジェンス企業」というものを始めて知りました)ストラトフォーのジョージ・フリードマン氏が自著の中で地政学的な観点から予測したものです。
ウィキペディア(2010年05月03日現在)では地政学について以下のように解説されています。
地政学とは地理的な環境が国家に与える政治的、軍事的、経済的な影響を巨視的な視点で研究するものである。イギリス、ドイツ、アメリカ合衆国等で国家戦略に科学的根拠と正当性を与えることを目的とした。
すなわち、国の場所や政治、人口動態、過去の歴史といった「国を形成する遺伝子的なもの」をインプットに、世界各国間の相互作用を研究する学問で、著者はこの分野のオーソリティとして米国では有名なようです。

本書では他にも地政学的な観点から次のような予測がなされています。
  • 今後100年はアメリカの時代
  • 中国、ロシアは大国にはなり得ない(衰退する)
  • フランス、ドイツは衰退する
  • 日本、トルコ、ポーランドに加えてメキシコが大国となる(可能性を秘めている)
これだけ聞くとなかなか信じ難いのですが、本書を読むことである程度納得できてしまいます。本書の目的は100年後の未来を予測することではなく、世界の国々に対して現在どのような力学が働いているのかを知り、それが今後どのような影響をもたらすのかをある程度把握するところにあり、上記は本質的な部分では無いにしても、非常に刺激的です。

なお、著者の日本に対する認識は次の通りです。的確であると感じました。
(P213)
日本が大きな社会変革を基本的価値を失わずにいられるのは、文化の連続性と社会的規律を併せ持つからである。短期間のうちに、しかも秩序正しいやり方で、頻繁に方向転換できる国はそうない。日本にはそれが可能であり、現に実行してきた。
本書後半は年代がかなり進むため、現時点との乖離が大きく、個人的には少々興味をそがれてしまったのですが、それでも十二分に楽しめると思います。