2012年3月30日金曜日

JEF2012データジャーナリズムセッションを終えて


ソーシャルメディアの浸透や、政府によるインターネットを利用した情報発信の普及、ウィキリークスの出現などにより、ジャーナリズムとネットは切り離せなくなりました。情報技術に対する理解無くしては、マスメディアと言えども情報の収集も発信もこれから益々難しくなります。

一方、ジャーナリスト活動に従事されている方々は、「情報技術について学ばなければついていけなくなる」という危機感を持ちながらも、日々忙しく、なかなか学ぶ機会が無いのが現状です。私はメディア企業で働いているのですが、記者・編集者のなかにそのような方をよくお見受けします。

そこで去る3月3日に日本ジャーナリスト教育センター(JCEJ)主催で開催したイベント「ジャーナリスト2012(JEF2012)」では、情報発信に携わる人たちが、聞いたその日から役立てられるような情報技術に関する知識を得られる場をつくりたい、との想いから、JCEJサポートメンバーの新志さん(@green000111)とともに「データジャーナリズム」のセッションを設計しました。

お招きした講師は、楽天技術研究所長の森正弥さん(@emasha)、駿河台大学経済学部専任講師の八田真行さん(@mhatta)、トランスコスモス株式会社理事でエグゼクティブリサーチャーの萩原雅之さん(@m_hagihara)、そして早稲田大学ジャーナリズム・コース准教授の田中幹人さん(@J_Steman)の4名です。半日で、情報技術の大局を知り(森さんの講義)、世界のデータジャーナリズムを概観し(八田さんの講義)、データからインサイトを得る神髄に触れ(萩原さんの講義)、データジャーナリズムのノウハウを獲得(田中さんの講義)する、というとても濃密なプログラムとなりました。詳細については新志さんによるブログ記事をご参照ください。


JEF2012では、「データジャーナリズム」の他に「コミュニケーションデザイン」と「イノベーション」のセッションを用意、いずれも盛況となりました。データジャーナリズムは他の二つのテーマに比べてやや硬く、あまり人は入らないかな、と予想(覚悟)していたのですが、良い意味で裏切られ、データジャーナリズムに対する注目度の高さを感じることができました。当日の様子はセッション参加者による感想レポートにまとめられています。


JCEJで毎月開催しているワークショップでも、今後データジャーナリズムを学ぶ機会をご提供できればと考えています。そして早速来月(4月14日)は萩原さんにお願いさせていただきました。


データジャーナリズムにご興味のあるかたはぜひご参加ください。

2012年3月28日水曜日

ブログ再開

本当に久しぶりのブログ更新。

この一年、本当に色々ありました。多くの方と出会うなかで、自分の非力さを痛感した一年でもあり、自分がやれること、やりたいことを模索し続けた一年でもありました。

ようやく落ち着いてきたこともあり、これからまた少しずつ更新していこうと思います。

ブログのデザインも一新。

2011年7月6日水曜日

魅力的なフォトグラファー

久しぶりに心が晴れやかになる、そんな本に巡り合えたのでご紹介します。


アジアを舞台にご活躍されている安田菜津紀さん、幸田大地さん、白潟禎さん、3人のフォトグラファーによる手記、編集者との対談、そしてご自身が撮影された写真で構成されている本書。私にはそれぞれのフォトグラファーが抱く熱い想いと、人間的な魅力が伝わってきました。

安田菜津紀さん / Yasuda Natsuki


高校生のときに訪れたカンボジア。そこでHIV感染者が隔離される「緑の村」に暮らす同世代に出会い、フォトグラファーの道に進む。日本ドキュメンタリー写真ユースコンテストで大賞受賞。(本書中にある紹介文の抜粋)


幸田大地さん / Koda Daichi


調理師をしていた20歳のとき、カメラを携えてパレスチナへ。帰国して、独学で写真を学ぶ。ユースコンテストでは、インドの不可触民「ダリット」をモノクロ写真で写し取り、優秀賞に。(本書中にある紹介文の抜粋)


白潟禎さん / Shirakata Tei


大学生のときカンボジアで地雷撤去するNGOを知る。その後、ボランティアのスタッフとして、タイ国境に近い地雷原を何度も取材。その写真が評価され、ユースコンテスト優秀賞を受賞。(本書中にある紹介文の抜粋)


3人ともしっかりとした問題意識を持ち、単にジャーナリストとして伝えるだけではなく、表現者であると同時に、問題解決にも取り組まれている、だからこそ一言一言に説得力を、私は感じたのだと思います。 こうした気骨のある表現者の方々を、これからも応援していきたいと思いました。

是非、ご一読を。