いつもほがらかなジョニーさんが、この話題を振った時だけは顔をしかめた。「正直言って、ひどいと思ったよ」
キャンプ地ジョージに到着する日本代表を一目見ようと6日、僕たちが泊まるゲストハウスのオーナー、ジョニーさんも空港に行った。すでに大勢の市民が小旗を振り、歌を歌って待ちわびていた。
ところが、現れた一行は逃げ込むようにバスに乗り込む。笑顔で子供らと手を合わせる選手はいたが、周りに目を向けない選手も多かった。岡田監督もそう。闘莉王は耳にイヤホンを当てたまま。歌や音楽で歓迎しようと待っていた人たちは、あっけにとられ、バスを見送った。
3時間近く到着が遅れ、疲れていたのは分かる。でも応援する気持ちを伝えようと、子供たちも待っていたのだ。感謝の心を表す態度が、なぜ取れないのだろうか。
「1分でも2分でもいい。立ち止まって歌を聴いて、写真を撮らせてくれるだけでよかったのに」とジョニーさん。この日の日本代表が僕に与えたのは誇りではなく恥ずかしさだった。
(柴田真宏)
今の日本代表に足りないものが垣間見えるエピソードだと思いました。残念でなりません。
カメルーンと大分県中津江村の関係は今でも続いています。