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2010年11月1日月曜日

ソーシャルメディア・リテラシ

先日、国際大学グローバル・コミュニケーション・センター(GLOCOM)で開催されている『「ネットの力、みんなのチカラ」プロジェクト』に参加してきました。


私が受講したのは、ブログ『ガ島通信』を運営されているジャーナリスト・藤代裕之氏(@fujisiro)による講義『ソーシャルジャーナリズムの可能性。私たちに何ができるのか』です。



テクノロジーが進化し、ブログやツイッター、ユーチューブ、フリッカーなどのソーシャルメディアが普及したことで、ある程度のリテラシがあれば誰もが情報を発信できるようになりました。つまり、ジャーナリストの定義を「メディアに記事や素材を提供する人」とするのであれば、誰もが「ジャーナリスト」になれるわけです。本講義ではこうした現状を踏まえ、「ソーシャルメディアで情報を共有するとき、何を気をつければ良いか」について、ディスカッションが行われました。ユーストリーム中継もあったため、結構活発な議論になっていたと思います。

議論の冒頭ではまず「日本の従来マスメディアが報道目的でソーシャルメディアを巧く利用できていない現状」が紹介されました。日本のマスメディア企業、実は結構ソーシャルメディアを使っています。例えばブログ。産経新聞の『イザ』や神奈川新聞の『カナロコ』など実に38サイトあります。SNSも9サイトあります。最近では毎日新聞がツイッターと連動した新聞『毎日RT』を発刊したことも記憶に新しいと思います。また、アサヒコムは『はてなブックマーク』と連携するようになりました。しかし残念ながらどれも上手くいっておらず、インターネット上の情報流通において主流になれていない…

本来であればここを出発点に「日本のマスメディア企業がソーシャルメディアを巧く利用できない理由」について考えを深めた上で、「日本のマスメディア企業を反面教師とし、それでは我々はどのようにソーシャルメディアを利活用すれば良いのか(解決策)」について議論を進めるような流れだったのですが、時間切れとなってしまいそこまで深い議論はできませんでした。この日主に議論できたのは以下2点です。

  1. ソーシャルメディアで情報を収集するとき、情報の信頼性はどのように確保するか?
  2. ソーシャルメディアで情報を発信するとき、何を気をつければ良いか?

1番目の論点では、会場から「発信者のソーシャルグラフを確認する」「発信者が過去に発信した情報を確認する」「発信者の肩書きや経歴を確認する」「実名で情報を発信しているかどうかを確認する(実名であれば信頼度が増す)」などの方法が提示されました。ツイッターであれば「フォロワーの数」、ブログであれば「人気ランキング」も参考になる、との話もありました。藤代氏は「近い将来、信頼度が数値化されるのではないか」とも話されていました。みなさんはどのような方法で取得する情報の信頼性を確保されていますか?

2番目の論点では、藤代氏から「ソーシャルメディアで情報を発信している人の中には、従来マスメディア企業と同じ過ちを犯している人たちが居るのではないか?」との問題提起がありました。例えば「センセーショナルに情報を発信する」「実名を出さずに言いたいことだけ言う」などです。こちらについてはみなさん、いかがでしょうか?

ちなみに2番目の論点において、私がマスメディア企業にとって大切だと考えるのは「想像すること」です。より具体的には「デジタルディバイドを想像する(それを読めない人が居ることを想像する)」「情報流通経路(どのように情報が伝播していくか)を想像する」「情報の摂取方法(どのような方法で情報を取得しているか)を想像する」「読者の心や考え方に与える影響を想像する」などです。そしてこれらを想像するためには「情報を上から下に流す」という考え方を変える必要があると考えます。この辺はもう少し自分の考えを整理したうえで、あらためて書いてみることにします。

メディアリテラシについても改めて考えてみたいですね。


なお、本講義の模様はこちらから確認できます。


講演はあと3回あります。豪華な講師陣。時間があれば参戦したいところ。

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[2010-11-05]

少し前の朝日新聞グローブにメディアリテラシに関する特集が組まれていました。ご参考までに掲載しておきます。


ここでは「行動規範」について言及されていますね。これについても今後考えて行く必要があるものと考えます。