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2010年3月31日水曜日

マスメディア企業、浮上の鍵を握る情報システム部門

マスメディア企業の状況は一向に上向く気配が無く、最近では悲壮感すら漂いつつあります。今期はついに赤字に転落する企業も出てきました。マスメディア企業は多くの優秀な人材を抱えています。また、現時点ではまだ資産も潤沢にあります。それにも係わらず、何故いつまで経ってもマスメディア企業は海の底に沈んだままなのでしょうか?何故どこからも良い話が聞こえてこないのでしょうか?

「どうすればマスメディア企業は浮上するか?」この命題についてはあらゆるメディアで多様な議論がなされていますが、私は最大の問題は「現状が把握できていない(すなわちAsIsが把握できていない)」こと、そして「これからどうすれば良いか分からない(すなわちToBeが組み立てられない)」こと、この2つに尽きると考えています。
  • AsIsが把握できていない
    すなわち、自社の編集業務、サービス、そしてシステムの現状が把握できていない
  • ToBeが組み立てられない
    AsIsが把握できず、そして今後テクノロジーはどのように進化していくのか、テクノロジーの進化によって人々の情報摂取の方法はどのように変化していくのかがわからないため、ToBeが組み立てられない
    私は、AsIsを把握しToBeを組み立てるために必要な素養は次の4点であると考えます。
    • 自社編集業務に対する理解
    • 自社サービス(デジタルメディア含む)に対する理解
    • 自社システムに対する理解
    • テクノロジーとソーシャルメディアに対する理解
    多くのマスメディア企業の経営層は編集部門出身の方で占められています。そして残念ながら、どれほど優秀な編集者でも、これら4つの素養を同時に満たすのは非常に困難なのです(私の結論は「不可能」です)。編集業務、そしてサービスまではもしかしたら何とか理解できるかもしれません。しかし、自社システム及びテクノロジーとソーシャルメディアを理解することはどう考えても厳しい。特にテクノロジーは、普段から慣れ親しんでいない限り(そしてそのような編集者は皆無であるため)難しいと思います。従って当然AsIsの把握もToBeの組み立てもできません。

    ではどうすれば良いのか?私はこれら全ての素養を満たす、あるいは満たすことができるのは、情報システム部門の担当者を置いて他に無いと考えます。最も良いのは情報システム部門出身者が経営層に入る事ですが、日本のマスメディア企業の風土ではこれは難しいでしょう。しかし、このまま手をこまねいていたら、座して死を待つのみ、となってしまいます。

    マスメディア企業の情報システム部門の方、一緒に頑張りませんか?

    2010年3月28日日曜日

    フリービジネスアプリ三種の神器

    (updated on 2010-03-29)

    あなたにとってフリーのビジネスアプリ三種の神器は?と問われれば(誰が問うんだ?)、私は次の3つを挙げます(Tweetしたのですが、一応解説まで)。
    これもTweetしたのですが、「FreeMindで問題(AsIs)を分解、整理、分析し、JUDEでToBeを組み立てる、そして雑用はMeadowで効率的に」が私の仕事の一スタイルとして定着しており、もう手放すことはできません。以下、それぞれのアプリについて簡単に紹介します。

    # FreeMind

    マインドマップエディタです。複雑な物事を整理するのにとても便利で、頭を悩ませているときには大抵使っています。とにかく問題を出し尽くしてあらためて整理する(問題整理)、といった作業に最適で、システム構築プロジェクトを開始する前には、必ず問題整理作業をマインドマップを使ってやっています。プライベートでも悩んだときにたまに使います。また、会議中にプロジェクタでパソコンの画面を写し、そこでマインドマップを作成していけば、会議が発散するのを防ぐことができますし、文書形式の議事録よりもはるかにまとまった記録を残すことができます。なお、FreeMindで作成したマインドマップはHTML形式のファイルに変換できるため、配布資料の原本をFreeMindで作成、実際の配布資料はHTMLで、といった使い方もできます。

    最近ではFreeMind以外にも複数のマインドマップを作成するアプリが出てきていますが、今のところFreeMindが操作性や軽さに優れ、一番バランスが良いように思います。

    # JUDE

    UML図のエディタです。私が良く使うのはユースケース図、クラス図、ロバストネス図、そしてアクティビティ図で、頭の中を「見える化」する際に重宝しています。これらのUML図は、システム開発現場以外でも使え、最近では少し複雑な事象はとりあえずモデリングして把握することもしばしばです。

    JUDEに出会う前は全てPowerPointで作成していたのですが、JUDEを利用するようになってからは格段に作業効率が上がりました。着色やステレオタイプを上手く活用することで、かなり綺麗、かつ精緻な仕上がりとなるため、自分が考えている事を正確に人に伝えるにはこれが欠かせません。以前オフショア開発で中国に行ったときも、これで乗り切りました。有料版ではマインドマップを作成する機能もあるのですが、私は無料版(JUDE Community)を使っています。

    # Meadow

    高機能テキストエディタです(テキストエディタの域を超えています)。学生の頃にMuleに出会い、8年前にMeadowに切り替えて…とEmacs系エディタはかれこれ15年使ってますね…。設定ファイルにLISPで設定を追加していくことで、用途は無限に(ちょっと言い過ぎか…)広がるため、設定のし甲斐があります。少しずつ自分のビジネススタイルに適合させていきましょう。

    私はMeadowをテキストエディタとして利用している他、Javaの開発環境、簡易ブラウザ、HTML/CSSエディタ、FTPクライアント、ディレクトリビューア、などとしても利用しています。テキストエディタの機能は秀逸の一言。もう古い、流石に別のに切り替えよう、と思っても、これを超えるテキストエディタはなかなか出てこないのですよ。

    ※本記事は、気が向いたら追記します。

    2010年3月26日金曜日

    重くのしかかる倫理の問題

    前々回の記事「マスコミ企業がソーシャルメディアを使う目的 (前篇)」で、マスコミ企業が抱える問題は「ビジネスの問題」「経営の問題」そして「倫理の問題」の3つに分類できる、と書きました。ここでは「ビジネスの問題」に焦点を当てていますが、実は最もやっかいな問題が「経営の問題」だと考えています。「経営の問題」の解決は困難極まりなく、また、あまりにも影響が大きいため、「ビジネスの問題」を解決したところでどれほどの効果があるかわかりません(「ビジネスの問題」を解決するためのボトルネックになる可能性もあります)。

    今週奇しくも @kazu_fujisawa さんがご自身のブログで次のようなことを書かれていました。
    日本にはマスメディアの危機なんてない。あるのは社員の高すぎる給料だけだ。 / 金融日記

    日本のマスメディアに危機なんて存在しないのだ。
    そこにあるのはただ単に高すぎる社員の給料だけなのである。
    「高すぎる社員の給料を低くする」ことは「経営の問題」を解決するための施策で、正に正論だと思います。しかし、GMやJALの例からも分かる通り、これは非常に難しい。

    一方でこの事は、指摘されずとも中の人は誰でも薄々は感じていることで、この業界に居続ければ最終的に給料が半額になる、ぐらいのことは皆覚悟しているのではないでしょうか(少なくとも私は覚悟してます)。しかし、何もやらずに「はいそうですね」と受け入れるのは実につまらない。どうせ駄目なら、その前にやれるだけのことをやった方が余程面白い。という事で、私は悪あがき。

    さて、ここで本当は多くの方々に「マスコミ企業の再生」について建設的な意見や議論をお願いしたいところなのですが、それが出来ないのが歯がゆいことろです。原因は「倫理の問題」にあります。マスコミ企業がこれだけ攻撃の標的になる背景には、「倫理の問題」の影響が過分にあることは想像に難くありません。まずはここに手を入れなければ、建設的な意見を募る資格も無いのでしょう。

    2010年3月24日水曜日

    ソーシャルメディアマーケティング、現場リーダーの視点 (「ACフォーラム2010」より)

    一昨日のエントリに引き続き、「ACフォーラム2010」から。本セミナーは、マイクロソフトで「ソーシャルメディアリード」という任に就かれている熊村氏(@gosuke)の講演が聴ける、という理由から参加を即決したこともあり、氏の講演はかなり期待していました。そして…嬉しい事に氏の講演は期待以上の内容でした。講演中のTLを熊村氏ご自身がTogetterでまとめられています(多謝!)。TLから当日の熱気や参加者の思考が伝わってきますね(私は聴く事で精一杯、熊村氏の講演中は一言もTweet出来なかったのですが)。

    「ソーシャルメディア時代のコミュニケーション戦略」 - Program 9 - 「大企業におけるソーシャルメディアマーケティング推進戦略 マイクロソフト "バイブル" 誕生秘話」 / Togetter

    ※ソーシャルメディアリードについて
    【キーパーソンインタビュー】日本初のソーシャルメディアリード 熊村剛輔氏に聞く(1/ 3) / Social Media Marketing Lab

    熊村氏の講演内容から、ソーシャルメディアマーケティングを実践する上で、私が重要だと感じた点を以下に列挙しておきます。
    • 社内のレベルを引き上げるための啓発
    • 綿密な戦略の策定
    • しっかりとした社内調整
    • プロジェクト全体を第三者的に監視・管理する客観的な視点
    講演の最後に触れられていた「ソーシャルメディアリードとしての心構え」が素晴らしかったので、併せて掲載しておきます。
    • 自分がソーシャルメディアを使い倒す
    • ソーシャルメディアについて客観的に語れるようになる
    • 具体的なゴールを持つ
    • 社内に仲間をいっぱい作る
    • 長時間モチベーションを高く持ち続ける
    いずれも即日心がけたいですね。なお、熊村氏ご自身のブログで当日の発表内容を補足されていますので、こちらも是非。

    ソーシャル メディア マーケティング for 大企業 – 8 / ife is so…

    この中で、ソーシャルメディア導入を進める現場の人間として強く共感する箇所がありました。「効果測定ができないのがソーシャルメディア」というTwitter上の発言に対する次のコメントです。
    ただ、一方で、少なくとも企業として、そして、その企業のビジネスとして、ソーシャル メディアを何らかの形で活用しようと思ったら、必ず、それに対する結果を出すコトが義務付けられているというのも、ある意味当然のハナシだったりする。
    「企業のミッション」としてソーシャルメディア導入に取り組む以上、「結果の見える化」にはこだわる必要があると考えていましたので、このコメントは心に響きました。そしてもう一つ、嬉しかったコメントがこちら。
    制約に対して文句を言うコトは、誰にだってできる。ただ大事なのは、制約を取っ払うようなアクションを起こすというコト、あるいは、制約の範囲内で、パフォーマンスを極限まで最大化する努力をするコトに尽きる。
    企業(集団)で何かを成し遂げるには、この視点が本当に重要です。

    と、感動していたら、@smashmedia さんがご自身のブログで熊村氏の上記コメントに対してコメントを出されていました。
    「大企業におけるソーシャルメディアマーケティング推進戦略」の話 / smashmedia

    まったく同感で、むしろ制約があるからこそ「考える」能力が問われるわけで、それが「楽しい」とすら思える。もちろん社内で「話す」能力も。
    いつもながらの鋭い切り口です(私は氏のブログの愛読者)。自己鍛錬と割り切って、逆に楽しむ勢いで社内調整に望みたいと思います。

    なお、@smashmedia さんのエントリでも勧められていますが、熊村氏がご自身のブログで展開されている「ソーシャル メディア マーケティング for 大企業」シリーズ(全9回)は私もお勧めします。「“バイブル” が生まれる前のハナシ」シリーズ(全42回!)は未読なので気合い入れて読む構えです。

    余談ですが、私は @smashmedia さん、@gosuke さんと同じ1974世代。頑張らねば!

    2010年3月23日火曜日

    マスコミ企業がソーシャルメディアを使う目的 (前篇)

    これまでの数カ月間、企業におけるソーシャルメディアの利用状況を調査、自分でも利用してきました。その間にソーシャルメディアの可能性を肌で感じ、そして、現在のマスコミ業界が抱える数ある問題のうちのいくつかは、ソーシャルメディアを適用する事で解決できる、あるいは解決に近づけることが出来るのでは、と考えるに至りました。そこで、本稿含め2本に分けて私の考えを提示させていただきたいと思います。今回は前篇として私の考えの前提を明確にし、後篇で具体的なソーシャルメディアの利用目的を述べる事とします。

    では早速。仮説ベースのためまだまだ議論の余地はありますが、マスコミ業界が抱える問題は概ね次の3点に集約されるものと考えます。
    1. ビジネスの問題
      「購読者(視聴者)が減少してる」「新規開拓が難航を極めている」など。ユーザのニーズ(コンテンツに対するニーズ、提供形式に対するニーズ)にマッチした、あるいはユーザの新たなニーズを創造する新しいサービスが提供できていない。
    2. 経営の問題
      「コスト構造の問題」「組織構造の問題」など。マスメディアからの収益が落ち、今後も改善幅は小さいにも関わらず、高コスト体質となっている。また、デジタルメディアやソーシャルメディアにおいて、大きな収益をもたらすサービスを発明できていない。
    3. 報道倫理の問題
      「押し紙問題」「記者クラブ問題」など。
    ここで、本題目では「経営の問題」及び「報道倫理の問題」については一先ず置いておき、まずは「ビジネスの問題」の解決に焦点を当てます。

    <注記>
    解決すべき問題の設定に誤りがあった場合、以降の議論が無意味なものとなってしまう恐れがあるため、本来であれば上記3点に集約したプロセスをまず先に提示、あるいは議論すべきだとは思います。しかし、このプロセスにはかなりの時間を要してしまうと考え、また、一刻も早く現状を打開する必要があると考え、まずはソーシャルメディアを使う目的の明確化から議論を始めさせていただきたいと思い、このような手段を取らせていただきました。もちろん、問題の設定に対して突っ込みを入れていただいても構いません。なお、各問題の詳細な分析については、後日別の記事を起こしたいと思います。そこで仮に問題設定や以下に述べる解決策に誤りがあった場合は、考えを再構築したいと思います。

    さて、「ビジネスの問題」を解決するための施策ですが、これもまた仮説ベースで恐縮ですが、最終的には次の3点に集約できるものと考えます(この点についてもご意見歓迎です)。
    • 魅力的なマッシュアップ型メディアサービスを構築する
    • 全く新しいスキームのサービスを発明する(イノベーションを起こす)
    • その会社のコンテンツが見たくなる雰囲気を作る
    各施策分類の詳細については後篇で説明します。なお、「マッシュアップ型メディアサービス」は私の造語で、複数のメディアで展開している単独のサービスを組み合わせたサービス、と捉えて下さい。例えば自社発行新聞と自社ニュースサイト、そして自社Twitterアカウントを組み合わせて一つのサービスを提供する、といったものです。

    日本人の情報の摂取方法が多様化した事で、マスコミ企業は「マスメディア」では以前のようにお金を生み出せなくなっています。また、新旧のメディア企業が群雄割拠、ポータルサイトも存在する「デジタルメディア」では、マスコミ企業一社が単独で大きな利益を上げるのは難しい構造となっています。そして「ソーシャルメディア」単独では確たるマネタイズの方式が確立されていません。このように八方塞とも思える状況ではあまりますが、マスコミ企業はソーシャルメディアを利用する事で今直ぐに出来る事が意外とある、というのが後篇の論点です。

    因みに、「経営の問題」及び「報道倫理の問題」の解決にもソーシャルメディアは一役買えるのでは、と、考えています。

    2010年3月22日月曜日

    WEBメディア、編集者の視点 (「ACフォーラム2010」より)

    小春日和となった先週土曜日(3月20日)、屋外でアウトドアを満喫するには最高の天気でしたが、私はと言えば「ACフォーラム2010」という「屋内」セミナーに参加、同フォーラムのHPにあるように「完全燃焼」してきました。懇親会も合わせると会場滞在時間は合計12時間にも及び、まさに気力・体力勝負の様相を呈していましたが、いずれも渾身の11プログラム、最後まで飽きることなく楽しませていただきました。

    少々前置きが長くなってしまいましたが、私が属している業界と近い、ということもあり、日経BP社で日経ビジネスオンラインの副編集長の職に就かれている瀬川氏(@sgwsgwsgw)のプログラム「日経ビジネス:雑誌からネット、そしてその先へ」に多くの学びがあったのでまとめておきます。

    さて、まずは日経ビジネスオンラインについて。
    • 日経ビジネスオンラインは読者層が明確なため、ターゲティング広告による収入が大きい
    • 日経ビジネスオンラインでは、記者の価値観と読者の価値観はかなり異なる(記者がアクセスされるだろうと見込んだ記事と実際にアクセス数を稼いだ記事はかなり異なる傾向にある
    • 日経ビジネスオンラインでは、様々な業界のプロフェッショナルにスポットを当てた記事に人気が集まっている
    「記者の価値観と読者の価値観はかなり異なる」これは押さえておきたいところです。WEBメディアではちょっとした工夫でアクセス状況の正確な把握、及びアクセス分析が比較的容易にできるので、先入観や直感だけで企画を進めないようにしたいですね。

    次にWEBメディアについて。
    • WEBメディアでは反対意見の記事が同一画面に存在しても問題ない(むしろ良い)
    • WEBメディアでは同じような特集を何度やっても読者はあまり気付かない傾向がある
    • WEBメディアの記事はさらっと読むが、紙媒体の記事はじっくり読む。つまり読者の求めるものが異なるため、紙媒体の記事をそのままWEBに掲載しても駄目(当然逆も駄目)
    • WEBメディアの記事の読者はタイトルで読む・読まないを決めるため(タイトルでフィルタリングされるため)、WEBメディアでは記事本文の内容が難しくても、また、専門用語を使っても問題無い
    長年の経験がベースとなっているだけに、いずれも首肯できるものです。「反対意見の記事が同一画面に存在」することが「むしろ良い」とされる瀬川氏の考え方には強く共感します。「同じような特集を何度やっても読者はあまり気付かない」は作り手としては残念な面もありますが、WEBメディアの記事に対する読者の姿勢(さらっと読む)やネット上に存在するチャネルの数を考えると仕方がないのかもしれませんね。

    ※「マスメディアの"喰えない化"」が進むなか、瀬川氏の最近のテーマは「メディアミックスの"喰える化"」とのこと。この件について是非一度お話させていただきたい…

    ※瀬川氏は氏の講演の最後に電子ブックについて「紙媒体とは全く異なるアプローチを考えている(同じでは駄目)、ゲーム的なものが面白い」と、少し触れられていましたが、残念ながら時間切れとなってしまいました。続きを是非お聞きしたい…

    ACフォーラム2010では他にも多くの学びがありましたので、今後少しずつでも紹介していきたいと思います。

    # 謝辞

    ACフォーラム2010は私にとって大きな勉強の場となりました(「夕張夫妻」物語では感動のあまり、「政治活動におけるツイッター活用」セッションでは笑いのあまり、泣かせていただきました)。また、多くの方々と名刺交換をさせていただき、個人的にも非常に面白い話をお聞きする事ができました。講師の皆様、参加者の皆様、お疲れ様でした。そして素晴らしい場をご提供下さいました運営者の皆様には心より御礼申し上げたいと思います。この度は本当にありがとうございました。

    2010年3月19日金曜日

    黒船が来たぜよ

    龍馬伝がに面白い。独眼竜政宗以来大河ドラマからはすっかり遠ざかっていましたが、テーマが坂本龍馬ということもあり久しぶりに熱中してます。日曜日になるとTwitter上でソフトバンクの孫さん (@masason) が龍馬伝の放映を待ちわびる熱いTweet(「つぶやき」という充て語はNGみたいです)を投稿されていますが、これがさらに気分を高揚させてくれます。本編では黒船が襲来、時代は一気に動き出し、私は毎週興奮の坩堝です。

    さて、最近俄かに注目を浴びているTwitterですが、これがどうも私にとっての黒船になりそうな予感です。始めは仕事の一環、調査目的で利用していたのですが、今や私の情報摂取スタイルだけでなく、人生観まで変えてしまいそうな勢いです。現にもう既に無くてはならない存在となってしまいました(完全にハマッてます)。

    何がそれほどまでに私を魅了したのか?少し考えてみました。恐らくは多様性と開放性の絶妙なバランスではないかと推測しています(なんだかよくわかりませんね…)。利用期間はまだ3ヶ月弱と短いのですが、普通に生活していたらまず知り合うことが無かったであろう人達の多様な考え方や知見・知識にダイレクトにアクセスでき、しかもコミュニケーションもできてしまう…これは本当に凄いことです。

    とはいえ、実は最近までTwitterはそれほど好きではありませんでした。私はシステムエンジニアで、技術力にもまぁそこそこ自信を持っていました。しかし、Twitterを通して色々な人達のTweetを読んでいると、その自信が根こそぎ持って行かれるような、そんな不安な感覚に襲われることがあったからです。そして自分の社会的立ち位置が分からなくなってしまった…

    しかしもう大丈夫です。色々な方々と出会える喜びが、そんな不安を吹き飛ばしてくれました。自分の開国に成功したようです。今では老若男女、多様な方々からの刺激を毎日心地よく受けています。そして、改めてソーシャルメディアの可能性を感じています。

    2010年3月18日木曜日

    情報システム部門が起こすイノベーション

    昨日受講した「第14回 ITmedia エグゼクティブセミナー 情報システム部門のあるべき姿は?」と題されたセミナーのパネルディスカッション中に、ウルシステムズ社代表取締役社長の漆原氏から、目の覚めるような発言がありました。それがこれです。
    ビジネスや業務改革に貢献するような比較的利用しやすく面白いIT技術が増えている。今こそ情報システム部門は腕の見せ所。アジャイルにITを使って業務プロセスやマーケティングにイノベーションを起こそう。
    漆原氏は比較的さらっと仰っていましたが、私はこの発言にガツンとやられました。そうか!自社の業務プロセスをITで便利にしていく事もイノベーションなのか!「イノベーション」と聞けば、AmazonやGoogleが起こしてきたようなグローバルで劇的な発明、との固定観念がありましたが、実はもっと小さなイノベーションはいくらでもあること、そして私自身もこれまでに小さなイノベーションをいくつも起こしてきたことに気付いたわけです。

    ウィキペディアの「イノベーション」の解説(2010年03月18日時点)には次のようにあります。
    イノベーションとは、新しい技術の発明だけではなく、新しいアイデアから社会的意義のある新たな価値を創造し、社会的に大きな変化をもたらす自発的な人・組織・社会の幅広い変革である。つまり、それまでのモノ、仕組みなどに対して、全く新しい技術や考え方を取り入れて新たな価値を生み出し、社会的に大きな変化を起こすことを指す。
    そう、「社会的な変化を起こす」ことがイノベーションであって、対象となる社会の規模については触れらていません。AmazonやGoogleが起こしてきたグローバルなイノベーションもあれば、国内レベル、企業レベルのイノベーションもある、とも解釈できそうです。そう考えると、まずは自分が今いるフィールドで小さなイノベーションを起こし続ける、というのも悪くないような気がしてきました。自分が主体的に何か変化を起こすのは楽しいですしね。

    という事で心機一転。ここ最近はインプット中心の生活を送っていましたが、これからは変化を起こすべくアウトプット中心の生活に切り替えていこうと思います。

    ちょっと蛇足ですが、自社開発には苦い思い出があり、数年前からは極力「自社で設計、IT企業に開発を依頼する」事に固執するようになっていました。そのため「自社開発」という選択肢は全く無くなっていたのです。しかしSaaSの進化もあり、最近では安価で便利なクラウド型サービスが、それこそ山のように存在しています。これらを自社でアジャイルに活用(マッシュアップ)して業務システムを構築する、という選択肢は今後かなり有効だと思います。そのためにも技術力は磨いておきたいですね。

    さて、漆原氏は続けて次のように仰っていました。
    IT業界のイノベーションは、以前はIT企業が起こしていた。しかし最近ではAmazonやGoogleといったユーザ企業が起こしている。日本のユーザ企業からもこうしたイノベーションを起こすような企業が出てもおかしくない。
    日本の企業、特にユーザ企業には是非頑張って欲しいですね。最近Twitterで知り合う若者には優秀な人が多く、意外とこれから出てくるのでは、との予感もあります。あ、もちろん私もまだまだ頑張りまっせ。

    2010年3月17日水曜日

    about this blog /beta

    (updated on 2010-04-13)

    # 管理人について

    マスコミのシステムエンジニアで、主な仕事は情報サービスシステム(WEBシステム)やコンテンツ管理システムの設計及び開発です。私は記者ではありませんが、長年記者や編集者に囲まれて仕事をしてきました。また、記者が利用する編集システム(記事や写真を編集し、社内のコンテンツ管理システムに送信するシステム)の構築に数年間携わった際に記者や編集者の業務プロセスを分析する、という機会にも恵まれました。こうした経験を踏まえ、今はIT技術者の視点から、自社を含むマスメディア企業、特に新聞・通信社が孕む問題点やその解決策、今後のあるべき姿について、思考・施策をめぐらせています。

    # ポリシー

    本ブログのポリシーです。
    • 公共良俗に反するような記事は書きません。
    • 通常の記事については、訂正・追記する場合を除き、ポスト後に大幅に書き換えたりすることは極力回避します。ただし、通常の記事とは別に、随時修正を加える「発展型の記事」は除きます(「発展型の記事」には記事タイトルのフッタに「/beta」を付与します。ある日突然大幅に変更されていることがあるかもしれません)
    • コメントは大歓迎ですが、「荒らし」的コメントについては削除します。
    なお、本ブログは個人的なものであり、私が所属している会社とは一切関係ありません。
      # テーマ

      本ブログで取り扱うテーマ(記事に付与するカテゴリ)は次の通りです。
      • 報道のカタチ
        本ブログのメインテーマ。報道のあり方について考える。
      • 社会の窓
        今世界で起こっていること、そして社会起業について思う事。
      • ソーシャルメディア
        ソーシャルメディアに関する記事。
      • ITアーキテクチャ
        ITアーキテクチャに関する記事。
      • ユーザ企業×エンジニア
        ユーザ企業のエンジニアについて思う事。
      • ワークトラック
        が従事している仕事やプロジェクトに関する記事。
      • JUST DO IT 100
        「死ぬまでにやりたいこと100」に関する記事。
      • MyStyle
        私のこだわりに関する記事。お時間のある時にでもお読み下さい。
      • 雑記
        雑文記事。こちらもお時間のある時に:-)
      # 共通カテゴリ

      本ブログにポストする記事に対して、共通で付与するカテゴリは次の通りです。
      • *Recommendation
        何かを推奨する記事(推奨記事)に対して付与。推奨記事の記事タイトルのヘッダには推奨する対象を識別するための文字列(タグ)を付与します。例えば書籍には "#book" を、WEBサイトには "#website" を、映画には "#movie" を、それぞれ付与します。
      • *Bookmark
        参考となるサイトを集めた記事(サイト集)に対して付与。記事タイトルのヘッダにはタグ "#bookmark" を付与します。なお、サイト集は不定期にメンテナンスするため、記事タイトルのフッタには "/beta" を付与します。