小春日和となった先週土曜日(3月20日)、屋外でアウトドアを満喫するには最高の天気でしたが、私はと言えば「
ACフォーラム2010」という「屋内」セミナーに参加、同フォーラムのHPにあるように「完全燃焼」してきました。懇親会も合わせると会場滞在時間は合計12時間にも及び、まさに気力・体力勝負の様相を呈していましたが、いずれも渾身の11プログラム、最後まで飽きることなく楽しませていただきました。
少々前置きが長くなってしまいましたが、私が属している業界と近い、ということもあり、日経BP社で日経ビジネスオンラインの副編集長の職に就かれている瀬川氏(
@sgwsgwsgw)のプログラム「日経ビジネス:雑誌からネット、そしてその先へ」に多くの学びがあったのでまとめておきます。
さて、まずは日経ビジネスオンラインについて。
- 日経ビジネスオンラインは読者層が明確なため、ターゲティング広告による収入が大きい
- 日経ビジネスオンラインでは、記者の価値観と読者の価値観はかなり異なる(記者がアクセスされるだろうと見込んだ記事と実際にアクセス数を稼いだ記事はかなり異なる傾向にある)
- 日経ビジネスオンラインでは、様々な業界のプロフェッショナルにスポットを当てた記事に人気が集まっている
「記者の価値観と読者の価値観はかなり異なる」これは押さえておきたいところです。WEBメディアではちょっとした工夫でアクセス状況の正確な把握、及びアクセス分析が比較的容易にできるので、先入観や直感だけで企画を進めないようにしたいですね。
次にWEBメディアについて。
- WEBメディアでは反対意見の記事が同一画面に存在しても問題ない(むしろ良い)
- WEBメディアでは同じような特集を何度やっても読者はあまり気付かない傾向がある
- WEBメディアの記事はさらっと読むが、紙媒体の記事はじっくり読む。つまり読者の求めるものが異なるため、紙媒体の記事をそのままWEBに掲載しても駄目(当然逆も駄目)
- WEBメディアの記事の読者はタイトルで読む・読まないを決めるため(タイトルでフィルタリングされるため)、WEBメディアでは記事本文の内容が難しくても、また、専門用語を使っても問題無い
長年の経験がベースとなっているだけに、いずれも首肯できるものです。「反対意見の記事が同一画面に存在」することが「むしろ良い」とされる瀬川氏の考え方には強く共感します。「同じような特集を何度やっても読者はあまり気付かない」は作り手としては残念な面もありますが、WEBメディアの記事に対する読者の姿勢(さらっと読む)やネット上に存在するチャネルの数を考えると仕方がないのかもしれませんね。
※「マスメディアの"喰えない化"」が進むなか、瀬川氏の最近のテーマは「メディアミックスの"喰える化"」とのこと。この件について是非一度お話させていただきたい…
※瀬川氏は氏の講演の最後に電子ブックについて「紙媒体とは全く異なるアプローチを考えている(同じでは駄目)、ゲーム的なものが面白い」と、少し触れられていましたが、残念ながら時間切れとなってしまいました。続きを是非お聞きしたい…
ACフォーラム2010では他にも多くの学びがありましたので、今後少しずつでも紹介していきたいと思います。
# 謝辞
ACフォーラム2010は私にとって大きな勉強の場となりました(「夕張夫妻」物語では感動のあまり、「政治活動におけるツイッター活用」セッションでは笑いのあまり、泣かせていただきました)。また、多くの方々と名刺交換をさせていただき、個人的にも非常に面白い話をお聞きする事ができました。講師の皆様、参加者の皆様、お疲れ様でした。そして素晴らしい場をご提供下さいました運営者の皆様には心より御礼申し上げたいと思います。この度は本当にありがとうございました。