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2010年11月15日月曜日

キュレーターは何をする?

NAVERが『NAVERまとめ』をリニューアルして以降、コンテンツ・キュレーションを実践されている方は徐々に増えきている印象があります。私も使っていますが、これは結構良いですね。


とは言え、キュレーションを実践する「キュレーター」は一般的にはまだ馴染みのない職種であり、本来この職種が最も必要とされるメディア企業においては、ほとんど存在していないのではないでしょうか(いらっしゃったらごめんなさい)。

そこで本記事では、キュレーションについてさらに理解を深めるために、Robin Good氏のブログメディアMaster New Mediaに掲載されていた記事を基に、キュレーターの作業内容について少し具体的に解説してみようと思います。抄訳のため、正確な情報は英文をご確認ください。みなさまのキュレーション活動の参考となれば嬉しいのですが。


Robin Good氏はキュレーション業務を21の作業項目に分解して「シーケンス」として解説されていますが、ここでは理解しやすさを考慮し、21の作業項目をさらに5つの作業単位(「準備」「収集」「編集」「公開」「改善」)に分類・整理して、紹介させていただくことにします。

なお、本ブログでは過去に一度『キュレーションの業務フローと業務プロセス』と題してキュレーション業務の概要をご紹介したことがありましたが、本記事はこれをリファインするような位置付けとなります。

[Step1] 準備


キュレーションのための準備をします。ここには以下4つの作業が含まれます。

  1. キュレーションのテーマ(分野)を特定する
    ある程度のユーザ数が見込め、かつ自分の専門知識を活かせる分野を選定します。
  2. 情報ソースを選別する
    有益な情報を引き出せるニュースサイト、ブログ、RSSフィード、ツイッターアカウント(リスト)、フェイスブックページなどを選別します。
  3. 情報収集ツールを選別する
    RSSリーダやソーシャルブラウザなど、情報ソースから情報を引き出すための最適なツールを選別します。
  4. ネットワークを構築する
    キュレーション対象のテーマに強い専門家や記者やジャーナリスト、熱心なユーザ、インフルエンサーといった人たちのネットワークを構築します。

[Step2] 収集


情報を集めます。ここには以下2つの作業が含まれます。

  1. 情報を集約する(アグリゲーション)
    Step1で選別した情報収集ツールを利用し、情報を集約します。
  2. 情報を選別する(フィルタリング)
    集約した情報からスパム情報や虚偽情報、品質の低い情報を取り除きます。

[Step3] 編集


集めた情報を基に、読者に提供する情報を生成します。ここには以下9つの作業が含まれます。

  1. 提供する情報を選択する
    Step2で集めた情報のなかかから、実際にユーザに提供(紹介)する記事あるはレポートなどを選択します。
  2. 提供する情報を検証する
    ユーザに提供する情報の正確性や、情報源を検証します。
  3. 提供する情報を編集する
    ユーザに提供する情報の体裁を整えます。読者の理解を促進するために、必要に応じて導入文やサマリ文を作成します。参考文献などがあれば、そこへの参照リンクも付与します。
  4. コンテキストを付加する
    読んで欲しい読者の興味を惹くようなコンテキストを付加します。
  5. 独自の視点を付加する
    キュレーター自身の視点や意見を付加します。独自の視点は大きな付加価値となるため、単純な再配信や再掲載との差別化を図るためにも、これは非常に重要な作業となります。
  6. タイトルを付ける
    その情報を必要とする読者が判別しやすいタイトルを付けます。ここで、読者の信用を無くすようなセンセーショナルなタイトルは控えます。
  7. クレジット情報を付ける
    クレジット情報は信頼性を向上させるため、可能な限り付けるようにします。
  8. 掲載場所(掲載順)を調整する
    読者の理解にも関わるため、情報の掲載場所や掲載順はとても重要です。
  9. 情報を整理する
    読者から見つけやすくするために、各情報に属性情報を付与、あるいは情報をまとめておきます。

[Step4] 公開


編集した情報を公開します。ここには以下3つの作業が含まれます。

  1. 情報を更新する
    定期的に情報を更新します。
  2. 自分についての情報を公開する
    キュレーションの対象、自身の専門分野など、キュレーターについて知ってもらうための情報を公開します。
  3. 情報を流通させる
    オンラインメディアやソーシャルネットワーク、アグリゲーションサービスなどを活用し、キュレーションした情報を流通させます。

[Step5] 改善


ここには以下3つの作業が含まれます。

  1. 読者からのフィードバックを得る
    読者からフィードバックを得ながら、読者との信頼関係を構築していきます。
  2. 読者の傾向を分析する
    アクセスログやアクセス解析ツールなどを利用し、アクセス数やセッション数、ユーザ数、サイト滞在時間など、読者の傾向(利用動向)を分析します。
  3. キュレーション業務を改善する
    読者からのフィードバックや読者の傾向を基に、上記全ての作業内容について改善を続けます。

以上がRobin Good氏の記事で紹介されていたキュレーターの作業内容(キュレーション業務の内容)です。作業項目が多く、個々の作業も決して容易なものではなさそうですが、だからこそ「キュレーター」という専門職が必要になってくるのではないかと考えました。

キュレーターが業務を遂行する上で利用できそうなツール(全て英語)が『Master New Media』に紹介されています。こちらもご参考までに。