- [jp]NAVERが「まとめ」をリニューアル――作成者のキュレーション活動を加速 - TechCrunch Japan
- [jp]NAVERまとめのインセンティブプログラムがスタート - TechCrunch Japan
とは言え、キュレーションを実践する「キュレーター」は一般的にはまだ馴染みのない職種であり、本来この職種が最も必要とされるメディア企業においては、ほとんど存在していないのではないでしょうか(いらっしゃったらごめんなさい)。
そこで本記事では、キュレーションについてさらに理解を深めるために、Robin Good氏のブログメディアMaster New Mediaに掲載されていた記事を基に、キュレーターの作業内容について少し具体的に解説してみようと思います。抄訳のため、正確な情報は英文をご確認ください。みなさまのキュレーション活動の参考となれば嬉しいのですが。
- Real-Time News Curation - The Complete Guide Part 4: Process, Key Tasks, Workflow - Master New Media
Robin Good氏はキュレーション業務を21の作業項目に分解して「シーケンス」として解説されていますが、ここでは理解しやすさを考慮し、21の作業項目をさらに5つの作業単位(「準備」「収集」「編集」「公開」「改善」)に分類・整理して、紹介させていただくことにします。
なお、本ブログでは過去に一度『キュレーションの業務フローと業務プロセス』と題してキュレーション業務の概要をご紹介したことがありましたが、本記事はこれをリファインするような位置付けとなります。
[Step1] 準備
キュレーションのための準備をします。ここには以下4つの作業が含まれます。
- キュレーションのテーマ(分野)を特定する
ある程度のユーザ数が見込め、かつ自分の専門知識を活かせる分野を選定します。
- 情報ソースを選別する
有益な情報を引き出せるニュースサイト、ブログ、RSSフィード、ツイッターアカウント(リスト)、フェイスブックページなどを選別します。
- 情報収集ツールを選別する
RSSリーダやソーシャルブラウザなど、情報ソースから情報を引き出すための最適なツールを選別します。
- ネットワークを構築する
キュレーション対象のテーマに強い専門家や記者やジャーナリスト、熱心なユーザ、インフルエンサーといった人たちのネットワークを構築します。
[Step2] 収集
情報を集めます。ここには以下2つの作業が含まれます。
- 情報を集約する(アグリゲーション)
Step1で選別した情報収集ツールを利用し、情報を集約します。
- 情報を選別する(フィルタリング)
集約した情報からスパム情報や虚偽情報、品質の低い情報を取り除きます。
[Step3] 編集
集めた情報を基に、読者に提供する情報を生成します。ここには以下9つの作業が含まれます。
- 提供する情報を選択する
Step2で集めた情報のなかかから、実際にユーザに提供(紹介)する記事あるはレポートなどを選択します。
- 提供する情報を検証する
ユーザに提供する情報の正確性や、情報源を検証します。
- 提供する情報を編集する
ユーザに提供する情報の体裁を整えます。読者の理解を促進するために、必要に応じて導入文やサマリ文を作成します。参考文献などがあれば、そこへの参照リンクも付与します。
- コンテキストを付加する
読んで欲しい読者の興味を惹くようなコンテキストを付加します。
- 独自の視点を付加する
キュレーター自身の視点や意見を付加します。独自の視点は大きな付加価値となるため、単純な再配信や再掲載との差別化を図るためにも、これは非常に重要な作業となります。
- タイトルを付ける
その情報を必要とする読者が判別しやすいタイトルを付けます。ここで、読者の信用を無くすようなセンセーショナルなタイトルは控えます。
- クレジット情報を付ける
クレジット情報は信頼性を向上させるため、可能な限り付けるようにします。
- 掲載場所(掲載順)を調整する
読者の理解にも関わるため、情報の掲載場所や掲載順はとても重要です。
- 情報を整理する
読者から見つけやすくするために、各情報に属性情報を付与、あるいは情報をまとめておきます。
[Step4] 公開
編集した情報を公開します。ここには以下3つの作業が含まれます。
- 情報を更新する
定期的に情報を更新します。
- 自分についての情報を公開する
キュレーションの対象、自身の専門分野など、キュレーターについて知ってもらうための情報を公開します。
- 情報を流通させる
オンラインメディアやソーシャルネットワーク、アグリゲーションサービスなどを活用し、キュレーションした情報を流通させます。
[Step5] 改善
ここには以下3つの作業が含まれます。
- 読者からのフィードバックを得る
読者からフィードバックを得ながら、読者との信頼関係を構築していきます。
- 読者の傾向を分析する
アクセスログやアクセス解析ツールなどを利用し、アクセス数やセッション数、ユーザ数、サイト滞在時間など、読者の傾向(利用動向)を分析します。
- キュレーション業務を改善する
読者からのフィードバックや読者の傾向を基に、上記全ての作業内容について改善を続けます。
以上がRobin Good氏の記事で紹介されていたキュレーターの作業内容(キュレーション業務の内容)です。作業項目が多く、個々の作業も決して容易なものではなさそうですが、だからこそ「キュレーター」という専門職が必要になってくるのではないかと考えました。
キュレーターが業務を遂行する上で利用できそうなツール(全て英語)が『Master New Media』に紹介されています。こちらもご参考までに。