ソーシャルメディアの一種で、一言で言えば「みんなで(ソーシャルに)作るニュースサイト」。運営者側がニュースを作成する通常のニュースサイトとは異なり、ニュースサイトやブログに掲載されたニュースへのリンクを、読者による人気順に再編成し、読者からのコメントや評価(レーティング)などとともに提供するサービスです。どちらかと言えば、『はてなブックマーク』や『livedoorクリップ』のような「ソーシャルブックマーク」に近いサービスです。ウィキペディアにはそれぞれ次のように定義されています。
■ ソーシャルニュース - ウィキペディア
専門記者ではなく一般のユーザー(市民記者)が作成するニュースサイトや、専門の編集者をおかずにユーザーによって投稿された記事をニュースとしてのせていく仕組みをとっているニュースサイトのことをいう。
■ ソーシャルブックマーク - ウィキペディア
インターネット上のサービスの一つで、オンラインブックマークサービスの発展形。自分のブックマークをネット上に公開し、不特定多数の人間と共有する事で、これらを有益な情報源とすることができる。
ソーシャルニュースは一度ニュースサイトに掲載されたニュースを、再度流通させる役割を担っているため、ニュースサイトにとっては非常にありがたい存在とも言えます。
国内ソーシャルニュース・サービスの代表的なものとしては、以下のようなサイトが存在しています。海外のサービスでは『digg(ディグ)』が有名ですね。
と、前置きが長くなりましたが、先週、リンクシェアの美谷さん(@hiroumi)主催によるソーシャルニュースの勉強会に参加してきました。
リンクシェアの美谷さん、ミクシィの徳田さん、そして実際にソーシャルニュースサイト『ニューシング』を運営されている藤川さんによる現状把握のためのプレゼンの後、2つのグループに分かれてソーシャルニュースについてディスカッションしました。私は「ソーシャルニュース・ビジネスの未来」をテーマにしたグループに参加、もうひとつのグループでは「利用者から見たソーシャルニュース」がテーマとなっていたようです。
ソーシャルニュースの現状について、私が捉えたポイントは次の通りです。
- SNSやツイッターの普及により、ソーシャルニュースの利用者は徐々に増えてきている
- ソーシャルニュース運営社の収入源の大半は広告収入。ポータルサイトへのデータ(URLのレーティング情報など)販売による収入も一部ある
- ソーシャルニュースはサービス毎にターゲットが異なる(ニューシングは「夕刊フジ的なニュースを好む人」、チョイックスは「ジャーニーズのファン」)
- ソーシャルニュースの利用者には「ソーシャルニュース」を利用している感覚がない(ニュースサイトだと思っている)人が多い
ディスカッションでは次のような議論が展開されました。
- ソーシャルニュースはそもそもビジネスとして成り立つか?(ソーシャルニュースに未来はあるか?)
- ソーシャルニュースをより多くの人に利用してもらうにはどうすれば良いか?
- 低俗なニュースばかりが流通する現状をどうにかして打開できないか?
利用者の視点からは「ソーシャルメディアに流通するニュースには同じような傾向のものが多く、これだけでは情報源としては足りない(世の中の流れがわからなくなる)」といった指摘もありました。
日本でソーシャルニュース・サービスが立ち上がり始めた2006年に、AMNの徳力氏が日本におけるソーシャルニュースの普及について興味深い記事を書かれています。
非常に考えるところの多い勉強会でしたので、後日、自分の考えをブログにアップしてみようと思います。
ご参考までに、当日のプレゼン資料の一部がスライドシェアにアップされています。
以下、他の参加者の方によるブログ記事です。
参加された皆さま、夜遅くまでお疲れ様でした。