ところで、ブランドが確立された記者・編集者は市場価値が高まり、転職・独立する可能性が高くなります。しかしその一方でブランドが確立された記者・編集者は優秀な人材を惹き付けます。すなわち、記者・編集者のブランドを高め、良い人材を輩出すればするほど、新たに良い人材が集まる、という好循環を生めるのではないかと考えます。また、記者・編集者がブランディング活動を活発に行うことで、記者・編集者が所属する会社の人間性が見えるようになり、その結果会社のイメージを良くする効果も期待できます。本来、記者・編集者は自分自身でセルフブランディング力を向上させた上で、独自にブランドを確立していかなければならないのですが、これを企業がバックアップする事で、先の「好循環」を促進し、さらには「人材流出の危険性を下げる」「優秀な人材を惹きつける」そして「マスメディア企業に対するネガティブなイメージを低減する」といった非常に大きなプラス効果をもたらすものと考えます。
先日の記事でも少し触れましたが、残念ながら今後マスメディア企業の収益率回復はあまり望めません。いずれ社員の給料にも手を付けざるを得なくなるでしょう。しかし給料を下げ始めると優秀な記者・編集者から順に辞め、優秀な人材も確保できず、ますますジリ貧に陥る事が想定されます。どれほど楽しい仕事・やりがいのある仕事を提供したとしても、その効果は限定的でしょう。こうした状況の中、マスメディア企業は、記者のセルフブランディングを支援する、という施策を打ってみてはいかがでしょか。
私が考える、比較的容易に、そして今直ぐ実現可能な記者・編集者のセルフブランディング支援の方法を提示しておきます。
- 記者・編集者のツイッターアカウント開設及びブログ開設を支援する
- 自社ニュースサイトに掲載する記事を署名入りとし、ツイッターアカウントを持つ記者・編集者の記事についてはその記者・編集者のツイッターアカウントにリンクを張る
- 自社ニュースサイトに記者紹介ページを用意し、記者別・編集者別に、その記者・編集者が作成した記事の一覧を表示するようにする。また、そこから当該記者・編集者のブログ、及びツイッターアカウントへのリンクを張る