この中で私がちょっと気になったのは、詩人・山田亮太氏によるエッセイ「書物は存在可能か 電子書籍でつくってみたい50の本」にあった電子書籍のアイディアです。これが斬新と言いますか、意表を付いていて面白い。例えば…
- 購入後一週間たたないと読めない本
- 一日に一ページだけ読める本
- 持ち運べない本
- 絶対に読み終わらない本
- 開くたびにランダムに異なるページが表示される本
- 読み終えたページが消える本
- 一冊しかない本
- 一ページ一円本
- 買われれば買われるほど高くなる本
- 一日一冊限定オークション販売される本
私の硬い頭からは出てこない柔軟なアイディアが多数。「一冊しかない本」なんてちょっと面白いですよね。だれかが読んでいる間他の人は読めない…内容はなんだろう…読める人はどう決めようか…早い者勝ち…くじ引き…なんて勝手に想像を膨らませてしまいました。
本書には他に京極夏彦氏、佐々木俊尚氏、堀江貴文氏のインタビュー記事や、小説化、編集者、研究者らによるエッセイなどが掲載されており、これらを通して電子書籍に対する多様な価値観に触れることができます。私は仕事柄、普段はどうしても電子書籍をビジネス視点からばかり見てしまいがちですが、たまに文化的・歴史的な側面や、未来予想などについて考えてみるのも悪くないですね。